第7話 いざ実食!!
出来上がったカレーをユウちゃんに、綺麗に装ってもらった。
軽く説教した二人は、出来上がったカレーの前で小さく縮こまっている。罪悪感でいっぱいなんだろうなぁ。
特に将太くんは手伝う気満々だったし、光瑠は...まあ、自主性があったし......
「ほら! 冷める前に食べよう!」
私が二人にそう言うと、決まり悪そうに下を向いた。
「「......いただきます」」
二人とも消え入りそうな声だなぁ。もう少し元気よく言ってもいいのに。
下を向きつつカレーをもぐもぐと食べ始めた光瑠と将太くんがすごくハムスターに似てるなぁ。と思っていると、将太くんがユウちゃんをチラッとみて、ボソッと呟いた。
「...うまい」
「え、ほ、本当に?」
目を大きく見開いているユウちゃん、やっぱりどこか小春と似ているところがあるなぁ。
ユウちゃんの言葉に光瑠も反応した。
「ああ、確かにこのカレーは絶品だ」
「あ、ありがとうございます」
なんかユウちゃんが一人で作ったみたいになってない??
まあ、別に私はそんなの気にしてないし。
と思って窓の方に目を向けた。そこに広がっていたのは、土砂降りの雨だった。
「えええ!!?? すごい土砂降りじゃん!」
私の言葉に驚きが伝染していった。
小学生グループに関しては、カレーを食べることはそっちのけで窓に駆け寄っていた。中学生グループは窓には駆け寄っていないけど、大きな声を声を上げていた。
対して、私が属している高校生グループはというと...
「ん? ああ、確かにそうだな」
「光瑠、反応が薄いよ」
「そ、そうですね。この後のプログラムにテント泊があるのですが、どうなるのでしょうか?」
「え、テント泊あったの?」
「あるさ。ただこんなに土砂降りじゃ、どうせ中止じゃね?」
確かに...
と、まあこんな感じに分析していると、係員の人が入ってきた。
「皆さんにお知らせです。誠に申し訳ないのですが、今日行う予定でしたテント泊の中止が決定しました」
「ええ〜??」と小学生たちがブーイングした。まあ、そうだよね。キャンプといえば、テント泊とか想像するもんね。
「そこで今日の宿泊は少し離れたところにあるコテージにて、泊まっていただきたいと考えております」
今度は中学生の方から「うっしゃあああ!」と雄叫びが上がった。まあ、野外と室内だったら室内の方がいいと思ってたんだろうなぁ。
一方、こっちはというと......
「どっちでもいいよな」
「と、泊まれるところがあってよかったね」
「コテージか......和室があればそれでいい」
なんというか、もっとなんかないの!? それだけ!?
「リアクション薄くない?」
「え、だって野宿よりマシじゃね?」
「まあ、そうだけど」
カレーを食べ終わって、皿や調理器具を洗った。洗った後、私たちはまたバスに乗せられた。もちろん、席はここに来る時と同じ。
将太くんと光瑠が喧嘩しないといいけど...
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