人間の観察記録。ミュータント「ミュー」は外に出たがるが、なかなか許可は出せず……。
ジャンルは純文学SF、なんですかね。
このような描写を産み出せる作家は稀有だと思います。SF部分もぐっと考えさせられる設定。オチもストレートでありながら、読者に深い感慨を与えます。
淡々として時にコミカルな描写が、不用意に感傷を訴えず、作品の価値を唯一無二にしています。
ヒューマンドラマ……みたいな落とし方をしてはいけないかもしれませんが、深遠な読後感をもつ「人間劇」でしょう。
素晴らしい短編。ぜひいかがでしょう。
わきの