そこには猫耳少女が待っていた
通りすがり
■第1話「俺の名前は更 正人。茶色い猫と暮らしている。」
俺の名前は
毎朝満員電車に揉まれて、上司に気を遣いながら、夕方になれば足を引きずるように帰る生活。
けれど——俺には、帰る理由がある。
「ただいま、ちゃっぱ」
玄関のドアを開けると、鈴の音が鳴る。それが俺の癒し、ちゃっぱだ。
茶色い毛並みに、まんまるな目。気まぐれだけど、ふとしたときに甘えてくる。そんな“普通の猫”だった。
生後半年の保護猫で、最初は警戒していたけど、今では俺の帰りを毎日出迎えてくれる、唯一の家族みたいな存在だ。
「今日も頑張ったぞ、俺……」
ソファに崩れ落ちると、ちゃっぱが膝に乗ってくる。軽くて、温かくて、ふわふわで。
なあ、ちゃっぱ。お前がいなかったら、俺はもっとすり減ってたと思う。
明日もまた仕事。今日もぐっすり眠って、また戦おう——
……と、思っていたのに。
次の日、あれはもう、全てが変わってしまった。
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