ブラック企業で心身をすり減らしていた主人公・遊美奈。
ある日、祖母の形見の指輪から「実はおばあちゃんは異世界の魔法使いだった」と告げられ、異世界へと転移します。
そこで待っていたのは、祖母の使い魔だった猫、心優しい村の人々、そして穏やかで誠実な騎士団長との出会い——
きらめきに満ちた毎日は、まるで絵本のページをめくるように優しく、読後に柔らかな余韻を残してくれます。
また、随所にちりばめられた宝石のような色彩描写も、本作の魅力のひとつ。
黒蝶真珠のような髪、スフェーンを思わせる黄色味が強い髪、
森の葉の彩りは、エメラルド、ヒスイ、グリーントルマリンなど……。
ひとつひとつの言葉が光を放ち、物語そのものが小さな宝石箱のようにきらめいています。
温もりと美しさあふれるこの物語の行く末を、どうぞ大切に見届けてください。
ユミーナはおばあちゃんが亡くなり、形見の指輪を使って異世界で暮らすことを決意します。
いにしえの森の魔法使いと尊敬されていたおばあちゃんのかつての家では、猫の使い魔コガネが出迎えてくれます。
ユミーナはオパールを使って村の特産品を作ることを思いつき――。
ゆったりと時の流れるような異世界で生きることを決めたユミーナのスローライフ。
手先が器用なユミーナのオパールにかける情熱は本物。素敵な彫刻やジグゾーパズルなどを生み出して村人におしえてあげたりします。
コガネは本来は猫。夜に寝るときには少女からもふもふの猫に戻ってゆったりとユミーナに撫でながら眠る。
起きればコガネの美味しいご飯も待っている。
そんなゆったりした時間の流れる中、ユミーナは自分の居場所を築いて行きます。
リュエールたち騎士団とも仲良くなって、恋の予感も。
疲れた時にゆったりと読みたい。そんな本作です。
丁寧な筆致に癒されます。オススメです。ぜひ。
<第1話「おばあちゃんと指輪」を読んで>
冒頭から描かれるのは、思念体として現れる祖母と孫娘との会話。設定自体は古典的な異世界導入に見えるが、文章が落ち着いていて、感情に過剰な揺れを持ち込まず、淡々と事実と心情を重ねていく点が特徴的だった。読んでいると、視点人物の思考の速度と呼吸がそのまま文に移されているように感じる。
「私の髪は黒色光沢にほんのり赤みのある黒蝶真珠のようだと、おばあちゃんがいつも言ってくれた。」
ーー比喩自体は古風だが、髪の質感や記憶の温度が、確かに感覚に触れてくる。ここに作者の観察力と、表現への独特な誠実さがある。
異世界転移の約束を持ちながら、最後まで流れているのは「家族の会話」であり、設定よりも関係性の記憶が優先されている。その選び方が結果として、この物語を柔らかくしている。
「異世界に行ってみる?」
それは、思念体として現れた祖母の最後の言葉だった。
孤独と疲れに満ちた現実を生きる遊美奈。
けれど、祖母の形見である指輪に触れた瞬間から、彼女の人生は静かに反転していく。
辿り着いたのは、祖母がかつて過ごした「いにしえの魔法」が息づく世界。
そこには、かつて祖母の使い魔だった金色の猫・コガネが待っていた。
森の隠れ家、魔物と魔石、使い魔契約、そして名も知らぬ村人たちとの出会い。
これはただの異世界転移ではない。
「もう戻れない」ことを受け入れ、「もう一度生きる」ことを選んだ少女の、再生と継承の物語。
失ったものの跡を辿るように、新しい居場所を見つけていく。
たったひとつの指輪から始まる、温かな異世界スローライフファンタジー。
ゆったりとした気持ちになりながら、スローライフに浸れるお話です。
亡くなったお婆ちゃんは、実は魔法使い。
形見であるオパールに遺されたお婆ちゃんの優しい言葉と力に触れて、主人公は異世界へと旅立ちます。
そこで待っていたのは、静かな森の中の家と、一匹の猫。
その猫は森の女の子として、可愛い姿に変身して、かいがいしく振舞ってくれます。
そして、騎士団長である彼との出逢い、きっとこれは運命?
主人公のゆるりとした性格と異世界の情景が、綺麗な描写で紡がれていきます。
それに、森の女の子がとっても可愛い!
話し方も振舞も、それにモフモフだってできるかも!?
ゆるゆるライフ好きにはたまらない序幕です。
オパールという宝石も、これから主人公の人生に、関わってくるのでしょう。
忙しい毎日に少しくたびれている方には、隙間時間や夜のひと時のお供におススメです。
きっと少しだけ、優しく穏やかな気持ちになれると思います。