マザーAIによって徹底管理された世界。
さぞかし人道に外れた食事が出されるものと身構えたのだが、登場したのはまさかの「おふくろの味」。
腹が満ちれば心も満ちる。皆が平穏を享受し、自分もそうしてきた。
とある「情報」を見つけるまでは……
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ディストピアとはユートピアの別の側面とされている。
自由意志と管理社会(予定調和)は物語では相対するもので、大体後者の方がディストピア扱いなのだが、
この作品においては、住人が満足するような取り組みが為されており、なかなか魅力的に描かれている。
「おふくろの味」ってこういうもんだよな……と思う人も多々いることだろう。
そもそも、現代が様々なイメージを取り込みながら、あるかすら定かでないゴールに向かってだましだまし生きてる感じなのもあって、
仮にポンとルールが変わっても「そうですか、これからよろしくお願いします」で済んでしまう哀しみがあった。