異世界転移したおっさんのやりたい放題物語
なぎさセツナ
第1話 えっ?異世界転移?
ある日、スクーターでご機嫌に病院へ通院していた司。
低所得者の司は、父親の介護で生活に行き詰まり、所有車も売り払う羽目になる。
その為、中古のスクーターを買ったのだが、意外と取り扱いやすく、小回りも効くので案外気に入っていた。
まぁ、ゆくゆくは生活保護だ、車は持てない、ならさっさと売り払っちまえ。
父親には成人後見人を付けないといけなくなる。
まぁ、それも良いか、仕方ないと割り切っていた。
一切介護を手伝わず、"金が無いなら、親父と心中しろ!"としつこくほざく、東京の武蔵野という良い場所に一軒家を構える資産家のバカクズな弟、長谷川佳孝とは違い、できる事はやり尽くした結果なので、悔しくないと言えば嘘になるが、恥ずかしいとは思わなかった。
すると、目の前が光った。
(司)
なんじゃこりゃ〜!!(松田優作風)
司は白内障の手術を受け、両目は人工レンズが入っている。
だからなのか、それは関係ないのか、目の前が真っ白になった。
なので反射的にブレーキはかけてはいた。
次の瞬間、目の前が開けると、アニメで見た事のある王宮の謁見の間のような場所に居た。
(国王)
よくきたな、勇者よ。
(司)
よきにはからえ国王よ。
(近衛騎士団団長:男)
なっ!
(司)
いや、これ、"勇者召喚"でしょ?
異世界でしょ!ラッキーやん!
元の世界じゃ生活詰んでた、異世界で一旗挙げて、ウハウハ悠々自適生活するぜ!
(近衛騎士団団長:男)
あ、ああ、そうか、いや、まぁ、そうなんだな……
(国王)
では、元の世界に戻れないと言っても。
(司)
そんな、お父ちゃん、ご無体な……(涙目)
なんて言わない!ここがボクの新しい世界!さぁやるぞ!何する、魔王討伐?
(国王)
いや、その、なんだな……そんなにやる気がある事は良い事だ。
で、要件だが、その通り、魔王討伐だ、正確には女王だが。
(宰相:男)
詳しくは私から。
クイント・サティナが女王として君臨するサティナ魔王国とは小競り合いが絶えないのだが、この度、戦線布告をしてきた。
目的は我が国、イスティニア王国の隷属化と人族の総奴隷化だ。
これに屈する事はいくらなんでもできん。
しかし、戦局は押され気味なのだ。
それで、我々は"勇者召喚の儀"に踏み切った。
これにより召喚された勇者は、人外の力を持ち、世に平和をもたらすという言い伝えがある。
我々はそれに賭けた。
(司)
その召喚された勇者が、我が者顔でふんぞり返り、世界制服をするとは考えなかったの?
人外の力があるんなら、可能性はあったんじゃない?
(国王)
自ら言っている時点で、お主は大丈夫だ。
本気で考えていたなら、自ら言うまい。
(司)
となると、スペックか……
【ステータス】
なんちゃって……ありゃりゃ、出た。
(近衛騎士団団長:男)
何を言ってる、何も無いぞ?
(司)
えっ?目の前に一覧が出てるんだけど。
たしかに人外やね。
こんな事もできるみたい。
そう言うと、司はその場で女になった。
(宰相:男)
えっ?女に?
(司)
そうだね。
あっこんなのもある。
そう言うと、司はダークエルフになった。
(近衛騎士団副団長:女)
し、種族が変わった!
(司)
便利だね。
(近衛騎士団団長:男)
これは凄い!
(宰相:男)
では、早速、魔法適正などを調べましょう。
そう言うと、水晶を持って来させた。
(司)
定番ですね、かざすんですか?触るんですか?
(宰相:男)
定番?
(司)
ああ、その、こういう話を物語で書いたのが沢山あったんですよ。
最初に魔法適正やレベルを測る為に水晶が出てくるんです。
(宰相:男)
そうなのか?なら話が早くて助かる。
では、触れてくれ。
(司)
はい。
司は水晶に触れた。
虹色に光り、水晶が砕ける。
(筆頭魔道士:女)
虹色……全属性使い……
(近衛騎士団団長:男)
しかも水晶が砕けた、測定不能!
(宰相:男)
これは凄い!人外との言い伝えはあったがこれほどとは……
(司)
みたいですね、ラッキー!
ちなみに名前は、そうですね、セツナ・レズマンコで。
元の世界とは縁切りたいので、新しい名前でいきます。
(国王)
分かった、セツナ・レズマンコ殿、よろしく頼む。
我はイスティニア王国国王、サドム・イスティニアだ。
(司改めセツナ・レズマンコ)
よろしくお願いします。
イスティニア王国って言うんですね。
(イスティニア王国宰相 グレン・ケインズ:男)
私は宰相のグレン・ケインズです。
(イスティニア王国筆頭魔道士 マキナ・タイラント:女)
筆頭魔道士のマキナ・タイラントです。
(イスティニア王国近衛騎士団団長 ガルグ・ケイエン:男)
近衛騎士団長のガルグ・ケイエンだ。
(イスティニア王国近衛騎士団副団長 カリン・テイム:女)
同じく副団長のカリン・テイムだ、よろしく。
(セツナ・レズマンコ)
こちらこそよろしくお願いします。
(グレン・ケインズ宰相)
では、早速、作戦会議を。
別室に移動しましょう。
そう言うと、別室に案内される。
乗っていたスクーターは"ストレージ"に収納した。
この時、司改めセツナは、自分のスペックをしっかりみていた。
スキルに"無限通販"があり、"不老"であること。
(セツナ)
ちょっと良い?
【リジュヴェネイト】
よし。
50過ぎの身体から、18歳ぐらいの身体に若返る。
(カリン・テイム近衛騎士副団長)
えっ?
(セツナ)
若返った、これで完璧。
(カリン・テイム近衛騎士副団長)
いっ、良いなぁ……
(セツナ)
します?若返り。
(カリン・テイム近衛騎士副団長)
是非!
(セツナ)
何歳ぐらいにします?
(カリン・テイム近衛騎士副団長)
そうですね……16歳でお願いします。
(セツナ)
はい。
【リジュヴェネイト】
16歳に若返ったカリン・テイム。
(マキナ・タイラント筆頭魔道士)
わっ、私も!
(セツナ)
はいはーい。
【リジュヴェネイト】
(マキナ・タイラント筆頭魔道士)
やったぁ〜!!
(セツナ)
お兄さんも如何?
(ガルグ・ケイエン近衛騎士団長)
ああ、私か……私は良い。
そんな事をしながら別室へ行く。
(ガルグ・ケイエン近衛騎士団長)
では、僭越ながら、私の方から作戦を説明する。
我らの目的は女王、クイント・サティナの討伐。
その為に別働隊として1万の兵を率いて出発する。
あくまで別働隊なので、途中での兵糧の補給はあっても、兵の補強は無い。
できる限り消耗を避け、魔王宮へ向かう。
勇者様以外には、近衛騎士団長の私、副団長のカリン、筆頭魔道士のマキナが同行する。
(セツナ)
そんなに?!
(ガルグ・ケイエン近衛騎士団長)
言葉は悪いが、彼等は肉壁だ。
なんとしてでも魔王宮に辿り着いて、女王を討たねばならない。
最終的には我々が女王の元に辿り着ければと考えている。
露払いが必要だ。
(セツナ)
なるほど。
(ガルグ・ケイエン近衛騎士団長)
出発は1ヶ月後、それまでに準備をする。
(セツナ)
魔法の練習?
(マキナ・タイラント筆頭魔道士)
はい、私が担当します。
全属性使いなら、剣より魔法攻撃の方が有効です。
(セツナ)
分かりました、よろしくお願いします。
(カリン・テイム近衛騎士副団長)
さっきから気になっているんですが、どうして女性なんですか?
(セツナ)
えっ?男が嫌だから。
性別変えれるなら女か"ふたなり"が良い。
(マキナ・タイラント筆頭魔道士)
"ふたなり"って……魔族ですよ?
(セツナ)
えっ?
(カリン・テイム近衛騎士副団長)
魔族は"ふたなり"です。
どちらでも子が生めるので、繁殖力が高いんです。
(セツナ)
ふたなり(輝く目)
(マキナ・タイラント筆頭魔道士)
えっ?
(セツナ)
"ふたなり"大好き!大好物!
(カリン・テイム近衛騎士副団長)
居たのですか?
(セツナ)
いや、居ない。
でも、物語なんかには出てくる。
それがまた美形で(よだれ)
(カリン・テイム近衛騎士副団長)
はぁ……
(セツナ)
えーっと、あった。
これが"ふたなり"、これが"男の娘"、これが"男装の麗人"、ねっ、良いでしょ?
全部大好物!これが最高!もはやこれしか勃たん!(輝く目)
(マキナ・タイラント筆頭魔道士)
は、はぁ……たしかに……
(セツナ)
こんな人に抱かれたら最高やん!(悦目)
(カリン・テイム近衛騎士副団長)
えっ?、まぁ、はぁ……
(マキナ・タイラント筆頭魔道士)
抱かれたら?抱くじゃなくて?
(セツナ)
抱かれたら!だよ、ボク、ネコだもん(照)
(マキナ・タイラント筆頭魔道士)
そうですか……なんか色々あったんですね……
(セツナ)
えっ?
(マキナ・タイラント筆頭魔道士)
いえ、お気になさらず……
(カリン・テイム近衛騎士副団長)
一応、確認させてください。
男に抱かれたいというわけでは?
(セツナ)
ヤダ!男となんて穢らわしい。
(マキナ・タイラント筆頭魔道士)
女となら?
(セツナ)
百合は尊い!(輝く目)
(カリン・テイム近衛騎士副団長)
なるほど、分かりました。
話が合いそうだ(ボソっ)
(マキナ・タイラント筆頭魔道士)
ですね(ボソっ)
(セツナ)
えっ?
(カリン・テイム近衛騎士副団長)
いえ、なんでもありません(ニヤッ)
(マキナ・タイラント筆頭魔道士)
気にしないでくださいね(ニヤッ)
意味深な笑いを浮かべる二人だった。
この事はメイド長に報告され、伽役として用意されていたメイド達が一新された。
バリタチや男装の麗人と名高いメイド達が用意されたのだった。
(マキナ・タイラント筆頭魔道士)
では、明日より魔法の練習をいたしましょう。
今日はゆっくり休んでください。
(セツナ)
はい、分かりました。
セツナは用意された部屋へ行く。
(サドム・イスティニア国王)
どう思う、勇者は。
(グレン・ケインズ宰相)
本人はやる気ですし、良いかと。
ただ、無理に押さえつけると、どうなるか……
(マキナ・タイラント筆頭魔道士)
魔法の才能次第ですが、魔力量は人外です。
間違えた使い方をすれば、我が国も危ないかと。
(ガルグ・ケイエン近衛騎士団長)
味方で居る間は最高の戦力、敵に回すとこの上なく厄介ですね。
(カリン・テイム近衛騎士副団長)
本人をその気にさせておくのが妙案かと。
下手に支配下におかない方が良いでしょう。
元の世界で、そういう物語を読んでいたなら、それなりの知識があると考えるのが妥当かと。
(サドム・イスティニア国王)
なるほどな、扱いについては要注意だ。
その気にさせておこう。
(一同)
はっ!
なんか、良いような、悪いような話が決まったぞ、セツナ。
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