愛していたから忘れたかった
仲仁へび(旧:離久)
第1話
家族を愛していた。
だから忘れたかった。
友人達を愛していた。
だから忘れていたかった。
恋人を愛していた。
だから忘れたままでいたかった。
人生で俺は、何度も辛い目にあった。
愛した人を失い続けるような目に。
病院にかかった。
お医者さんに診てもらった。
たくさんの薬をのんだ。
何度も悪夢を見た。
いつも死にたくなった。
何度も涙が流れた。
心がひび割れて、魂がぐちゃぐちゃになった。
だから忘れたかった。
大切な記憶は、全部覚えていたい?
そんなことは無い。
大切だから、忘れたかった。
そう結論付けた俺は、
どうすれば最愛に関する全てを忘れられるのだろうと、考える日々が始まった。
それからの日々は救いがあった。
救いがもたらされるかもしれない。
という希望が俺の心を安らがせていた。
でも、忘れる方法を探し続けることができなかった。
夢の中の彼らが、
愛しているなら忘れないで、と言ってきたから。
愛していたから、忘れたかったのに。
愛していたから、無視できなかった。
愛していたから忘れたかった 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます