2025/7/3 鏡

#文披31題 鏡


目の前には、全身が映る大きな鏡があった。

鏡に映る自分は暗い目をしていて、やけに細い。

くたびれた服を着て、どこにも行っていないのが分かる。


ずっと学校に行っていない。

誰もいない部屋に、自分だけ取り残されている。


風鈴が遠くで鳴っている。

あの夏はもう戻らない。

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