これはファンタジーじゃなくて、現代ドラマです。純文学です。
全員がちゃんと人間です。洗練されたせいで逆に典型に見えるかもしれませんが、彼らが「醸し出すもの」がレミリアにどのような影響を与えているかという「ささいなことの積み重ね」の「関係性」を丁寧に書いているのが素晴らしい。
レミリアの社会的立場と個人のギャップ、葛藤、決意、未来が書き手の責任をもって書かれています。小説という仮想の話ですら書き切らず投げっぱなしの純文学気取りが多い中、きちんとレミリアの目覚めと覚悟が書かれたのが良かったです。
冷静な筆致もまた、レミリアの有能さを言外に表現しています。一切の迷いもブレも無駄も書かれていないのは、物語が考え抜かれた結果だからじゃないでしょうか。もはや美しい一つの宇宙の法則がそこにあると感じました。
今後もぜひこのような粉砕小説を書いてほしいと願わずにはいられません。