異世界生活水準日本化計画~異世界の生活水準レベルが低すぎる。日本の便利な生活を取り戻したい~
ダークネスソルト
この異世界の生活水準が低すぎるぅぅぅ~~~(クソデカボイス)
生活水準とは人々がどれくらい豊かで快適な生活を送っているかの程度を表す言葉であり、めちゃくちゃわかりやすく言えば、「どのくらい便利で安心して暮らせるか」ってのを指し占めす言葉だ。
以上
終わり。
さて、突然だが俺の名前は佐藤 雄太。
元日本人の異世界転生者だ。因みに今世の名前はユウタ。運命の強制力かしらないけどまんまで驚いたのはご愛嬌だ。
大学4年生の時に異世界召喚に巻き込まれて死亡。
因果律的に不味いとかで女神様によって異世界に転生させられた者だ。
え?
チートスキルは何を貰ったって。
それが貰ってないんだ。強いて言うならば前世の知識、記憶を保持した状態で異世界に転生させて貰えたってのがある意味ではチートであるにはあるけど・・・。
そうして転生させられたわけなのだが、普通の農村に生まれた。
祖父母が農家をやっていたので農業に対しての抵抗感もなかったが、異世界の生活水準が低すぎて死にそうなくらい辛かった。
というか公衆衛生の概念が終わってるから実際問題、かなりの子供が幼少期に死んでる。
一応回復魔法や浄化魔法といった異世界ならではの魔法もあるが、貧しい平民が多用できるものでもなく、ガンガン死者が出てるし、病気になったら一発アウトだ。
食料面も保存状態が悪かったりで知識不足なども有り不安定であり、魔法のおかげで割となんとかなってるが1~20年に1度のペースで発生する飢饉ではかなりの犠牲者がでるらしい。
幸い俺が今こうしてこの世界の大人である12歳になるまでは飢饉は起きずに飢えることなく生活出来たが、毎年かなり命懸けな思いだった。
そんで12歳の時に盗賊団が村を襲撃して村は壊滅した。
二毛作や輪作の検証の為に森の別の場所で作業してた俺だけが助かったが、村から火の手が上がってるのを見て、「あ、これもしかしなくても盗賊に襲われた」ってなって。まあ案の定という訳で12歳で全てを失った。
今世の両親に仲の良かった村人たちが死んだときは心の底から悲しかったが、悲しんでいても腹は膨れない、下手をしなくても今の状況で冬を越すことはできないのでこのまま何もしてなければ俺は死ぬ。
しょうがないので気持ちを切り替えて焼け跡から使えそうなものだけ拝借して町に出て懇意にしてた商人に頼み込んで雇って貰った。
事情も考慮してくれて俺にかなり同情的になってくれたので問題なく雇って貰え、そこで働きながら食いつないでいった。
とはいえ雇って貰えた理由には村長の家にある本で文字を習い、読み書きが出来、前世由来の計算知識に頭の回転の速さはあるけど。
そんな訳で前世では腐っても大学生をやっていたので数学は出来るし、知識もあり口も回ったので1年足らずで店の店長を任されるようになり、他の店員や俺を雇ってくれた旦那様からもかなり信頼されるようになった。
この世界では背は低いが12歳の時点で大人として認識されるので、別に舐められるとかもほとんどなかった。
そもそも論として平均寿命が30歳とかの世界だしな。終わってる。
そんで、まあ今現在13歳。
相も変わらず、店で働いて気が付いたわけだ。
「この異世界の生活水準が低すぎるぅぅぅ~~~」(クソデカボイス)
と。
とはいえ、だからどうしたって話になっても、まあ。うん。そうだ。どうしようもないって話だ。
俺は言ってしまえばただの人間だ。無力な人間だ。
莫大な金もない、なろう小説の様な圧倒的な力もない、王侯貴族のような地位も権力もない。
ただのしがない商家のお店を一つ管理しているだけの人間に過ぎない。
生活水準を上げるための発明をする環境もないし、仮に行動に移したとしても利権絡みでそれを目障りに感じた貴族に消されるか。
大商会に全てを奪われるのが目に見えている。
だからまあ、無理だ。
生活水準をあげたいって思いはあるけど今の俺には無理なんだ。
一応俺の出来る範囲で冒険者の新人パーティーに支援して恩を売ったり、色々考えたりはしてるし、まあ何だ、俺の出来る範囲で頑張りますか。
――――――――――――――――
MFブックス異世界小説コンテストの為に書き始めたけど、流石に10万文字無理そうだなというわけで、出来る限り精一杯どこまでいけるかの挑戦となる。
僕は愚か者です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます