第10話 はじめてつくるとき 〜映像編〜

 はじめてつくるとき、なにをしたらいいのかわからない⋯⋯


 ここではそんな悩みを少しでもやわらげるべく、大まかな流れをご紹介します。



 作品をつくるにあたっていちばん大事なことは、

『だれも傷つけない作品を作ること』です。

 このことをけして忘れないでください。



目次


ーー撮影前ーー

つくりたいものをまとめる

・企画書を書く

・尺を考える

尺⋯映像作品の作品全体の時間のこと

・予算を考える

・ロケハン(ロケーションハンティング)

・撮影予定を決める

・スタッフを集める

香盤表をつくる

脚本を書く

・カット割りを考える

・撮影順を決める

リハーサルをする

オールスタッフミーティング


ーー撮影当日ーー

テスト撮影をする

撮影をする


ーー撮影後ーー

編集する

カラーグレーディング

音楽と効果音をつける

エンドロールをつける

映像の書き出しをする

ーー完成後ーー

公開する




はじめてつくるとき


つくりたいものをまとめる

・企画書を書く

 どんなものをつくりたいのか?その目的と作品の内容を書いてまとめます。


・作品の尺を考える

 尺⋯映像作品の作品全体の時間のこと

 尺が長いほど予算と時間がかかります。撮影場所や出演人数との規模なども予算に影響します。


・予算を考える

 自分の作品に出せる予算を考える

 予算に見合った映像尺や規模の作品をつくることになります。


・ロケハン(ロケーションハンティング)

 作品のイメージに合った撮影地を探します。

・撮影予定を決める

 撮影スケジュールを決めておきます。

・撮影予定地の撮影許可をとる

 公有地⋯管理者の許可をとる

 私有地⋯所有者の許可をとる

・特に公有地は撮影許可をとるまでに時間がかかるため、その期間を確保しておきましょう。

・スタッフを集める

 作品への参加スタッフをつのります。

 インターネットでスタッフ募集サイトに募集を出す方法もあります。

 スタッフへの報酬についても事前に提示してとりきめておきましょう。

 作品への出演者に対しては、配信の予定の有無など、意向を伝えて確認をとってください。契約書を書面にしてつくっておくとおたがいに安心です。

・香盤表をつくる

香盤表は、どの場面にどのスタッフが必要なのかを表にして書いたものです。


・脚本を書く

・カット割りを考える

A⋯絵にして描く⋯画(え)コンテ

B⋯台本にカット割りを書いていく(言葉で伝えられるようにしておく)

自分がどう撮りたいか?を他の人に伝えられるようにしておく

脚本と絵コンテ、カット割りを考えるための時間が必要です。


・撮影順を決める

→撮影日ごとに撮影スケジュールを立てていく


・リハーサルをする

 実写作品の場合は出演者と監督が台本の読み合わせをします。このときに出演者の演技を見ながら監督が演出の意図や登場人物の心情・演技のニュアンスを伝え、演技の方向性を調整していきます。


・オールスタッフミーティング

 撮影に関わるスタッフ全員が集まって撮影前の事前打ち合わせをする。

 スタッフが自己紹介していき、監督は作品を撮影するにあたっての目的や思いをスタッフに伝える。

 このときに脚本の読みあわせとリハーサルを行うことがある。


【撮影前日まで】

・撮影機材の準備(撮影部)

・照明機材の準備(照明部)

・衣装・小道具の管理(演出部)


ーー撮影当日ーー

・撮影現場の写真を撮っておく

 あとで配置をもとにもどせるように撮影前の配置の写真を撮っておきます。

 写真を撮ってから撮影準備をはじめましょう。


・撮影準備をする

【機材の用意】照明、美術、小道具などの用意

スタンドイン(出演者の出番までかわりにカメラの立ち位置に立つ人のこと)を立ち位置に立たせる

カメラの位置を決める(撮影部)

どこから撮るか?どう撮るか?を決める

撮影部が監督の師事をもとに画角を決め、監督が見て打ち合わせながら監督のイメージに合うように画角を修正していく


・テスト撮影をする(しないこともある)

実際にカメラを回してテスト撮影をします。

撮影の合図の流れは以下を参照してください。

テスト撮影のさいは撮影時のかけ声が、

「テスト!!」になります。


・撮影をする

【助監督】

カチンコを用意しておく

「本番!!」と声をかける

3、2、1、(指で3本、2本、1本、とかぞえ、)

カットの声がかかったらカチンコを打つ

【監督】カット!!と声をかける

【助監督】カチンコを打つ

・映像を確認して次のカットの撮影に進む

・撮影終了・原状回復

 撮影現場で借りたものはすべてもとのとおりに配置を戻します。

・撤収

 移動に車両を使う場合は車両部(車を運転する人)の人員を確保しておきましょう。

撮影時の疲労を考えて、車両部には車両部専属のスタッフを割り当てておきましょう。


ーー撮影後ーー

・編集する

 編集ソフトを使って撮影した映像素材をならべて必要な長さに加工していきます。


・カラーグレーディング

 映像の色味を変えるソフトを使って映像の色味を調整します。

 色味を変えることで映像の質感や雰囲気を変えることができます。

 色を補正するかは作り手の好みなので、自分のイメージに合うかで調整の有無を決めましょう。


・音楽をつける

 音楽と効果音(SE)をつける

作品のイメージに合った音楽と効果音をつけましょう。


・エンドロールをつける

 記載するスタッフの氏名に間違いがないかを参加したスタッフ全員に確認しておきましょう。

・映像の書き出しをする

 映像の書き出しには時間がかかりますので、時間に余裕を持っておこないましょう。


・公開する

 試写会をおこなうなどします。

 もし、作品を配信する場合には事前の契約時に出演者の許可を得ておきましょう。

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