死神に夜は似合わない
佳尾ほむら
プロローグ
“死神”とは、生命の死を司どる神、あるいは生命に死をもたらす霊のことだと表されている。
* * *
神々が地上に降り立っていた時代、その昔。神々は生命とその生命の生ける場所を作り出した。生命は、神々に見守られながら日々を過ごした。
やがて、生命は戦いを始めた。生きるためでもない、意味のない戦いだ。殺そうとしても生命は死ななかった。神々が生命に終わりを与えなかったから。戦いは何度も行われた。神々は止めさせようとしたが、生命は止まらなかった。
神々は生命を壊そうとした。いくつもある生命をすべてなくしてしまおうと考えた。神々は結局生命を壊さなかった。
最終的に、神々は生命の終わりを作り、終わった生命が過ごす場所を作った。
そして、終わった生命に仕事を与えた。その仕事とは、生命に死をもたらすこと。終わった生命に、“死神”という仕事が与えられたのだ。
かくして、死神が誕生したのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます