三匹の萌え豚
伊藤 拓
第1話 むかしむかし
むかしむかし、秋葉原の森に三匹の「萌え豚」が住んでいました。この森は、オタクたちが日々推し活に全力を注ぐ楽園のような場所。三匹の名前は、豚一郎、豚二郎、そして豚三郎。それぞれ違う推しに夢中で、「俺の推しが世界で一番!」と信じて疑わず、毎日を楽しく過ごしていました。
【一匹目の萌え豚、豚一郎:アイドルオタク(ドル豚)】
豚一郎は、王道アイドルオタク。推しているのは、国民的アイドルグループのセンターを務める美少女アイドル。「俺の推しは天使、推しの笑顔こそ、俺の酸素だ!」と、握手会には全財産を投入しフル装備で参戦。ライブでは最前列を死守していました。
彼の部屋には、推しのポスター、サイン入りグッズ、チェキ、握手券が天井まで積まれていて、もはや「一歩間違えれば崩れそうなジャングルジム状態」。豚一郎は毎晩、推しの歌声を聞きながら「推しは俺の光、世界は彼女を中心に回っている!」と涙を流して寝ていました。
【二匹目の萌え豚、豚二郎:VTuberオタク(バチャ豚)】
二匹目の豚、豚二郎は「VTuberオタク」。彼の推しは、バーチャル美少女VTuber。日々スパチャを投げまくり、「お兄ちゃん、ありがとう!」と推しに言われた瞬間、「俺の魂がVTuberと一体化した…!」と大興奮。スパチャの額はとうに家賃を超えていました。
豚二郎の部屋には、推しVTuberのスクリーンショットや、配信の録画がギガ単位で保存され、ついにはパソコンが悲鳴をあげる事態に。
「リアルアイドルなんて過去の遺物!今の時代は、推しとリアルタイムでつながるVTuberこそが正義だ!」と自信満々。彼は毎日、推しの配信を追いかけ、コメント欄に「お兄ちゃん参上!」と猛アピールするのが日課でした。
【三匹目の萌え豚、豚三郎:二次元美少女オタク(アニ豚)】
三匹目の豚、豚三郎は「二次元美少女オタク」。現実のアイドルやVTuberには目もくれず、アニメやゲームの二次元美少女キャラに全力を注いでいました。「三次元なんて必要ない!二次元こそ俺のすべてだ!」と誇らしげに語り、彼の部屋はフィギュア、ポスター、抱き枕で埋め尽くされていました。
「二次元は変わらないし、完璧だ。裏切ることもないし、俺の心を永遠に癒してくれるんだ!」と豪語し、毎日アニメキャラの笑顔に見守られながら、愛の言葉をつぶやいていました。
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