第6章 かがみよ、かがみ、かんがみよ(2)
そんなわけで。
ベースパワーアップのために今夜私が見ているのは、bl∞p で人気のvl∞perである
ええっと。まず、bl∞p というのは世界で一番有名な動画投稿・共有プラットフォーム?とかいうやつ。そこで投稿してる人達は、bl∞perって呼ばれてる。
bl∞perにもいろんなタイプの人がいて、普通に動画を投稿してる人もいるけど、生配信をしてる人も結構居る。ゲームの実況配信が一番人気ある感じだけど、ダンスの練習してるところとか、ネイルしてるところを見せてる人も居れば、テレビのバラエティ番組みたいな企画をやってる人もいる。
その中で、vl∞perというのは『バーチャルbl∞per』の略称だ。生身の本人を画面に映すんじゃなく、イラストのアバターを使うことで、姿形だけはキャラクターだけど声だけは本人が喋るというリアルタイムのアニメみたいなことをする人達だ。
雅客ナルキはそんなvl∞perの一人。友人のキイが最初にハマって、布教され、私たちグループで推している。
ナルキくんは若いお兄さんで、年齢は非公表。基本的には一人でゲーム実況かコメント読みの雑談配信をしている。vl∞per は人によっては企業の運営する事務所に所属していることが多いけれど、ナルキくんはIT関係の会社に勤める一般人らしい。なので配信が始まるのはいつも夜で、仕事終わりから就寝までの一人の時間が寂しいからやっているとのこと。
お金が目的ではないからと視聴者からのスパチャは全額寄付していて(月一で寄付結果発表として明細などを公開してくれる)、その律儀さがウケている。
視聴者の悩み相談などにも真剣に対応してくれたりと優しく真面目な人柄もそうなのだけど、特にその声への評価が高い。友達のむっちゃんは作業用BGMとして聞き流すのに適していると言っていたし、キイは布団で聞けば100パーセント寝落ちできるので配信を最後まで聞くことがどれだけ難しいかを力説していた。
確かに、メンタルの浄化に効きそうな良い声をしてると私も思う。心なしか枕元にいる私のMenDACoも嬉しそうだ。
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