王女リラに転生して始まる物語は、序盤から語られる不遇の状況にどんどん引き込まれました。
プロットの組み方がとても秀逸で、なにより人間関係の描写が素晴らしい。
たとえば政略婚という宿命や、抗いきれない運命に対する、ごく自然な不安がありのままに描かれている。
その心情の積み重ねは、読みながら本当に自分が転生したかのような共感が起きるため、登場人物を応援したくなりました。
キャラクター造形が見事で、恋がもつれたり前進したりと、とにかく「この先どうなるんだろう…」という気持ちにかき立てられ、読んでいて楽しい。
人間関係のしがらみも丁寧に描かれ、登場人物たちと一緒に参加している感覚を得られます。
リーダビリティ抜群の品性豊かな恋物語を、ぜひ皆さんご堪能ください。
物語のキャラクターに憑依してしまった主人公が、悲劇の展開を書き換えるために動き出す異世界ファンタジー作品です。
主人公は姉の存在によって、家族からの愛を受けられなかった女性。
愛の代わりに夢を追い求めようとしましたが、その折に読んでいた小説のキャラクターに憑依してしまいます。
魔女と蔑まされるキャラクターの扱いは最悪。
親戚からはいびられ続け、最後には政略結婚の道具として送り出されそうになります。
けれど、主人公は自由をあきらめていませんでした。
重ねた準備によって護衛を振り切ると、名もなき隠者として森の片隅で静かに暮らそうとします。
今度こそ彼女の人生は報われるのか。
ぜひ読んでみてください。