第21話 Cause of

『もう、サチにはついてけないよ!』

『なんでよ! 私が男子と寝てても、ビッチでも、気にしないって言ってくれたじゃん!』

『別にいいよ。でもさ──じゃあ、私のこと好きにならないでよ! 私の好きな…私のこと好きでいてくれる人が他の人とやってるなんて、私耐え切れないもん!』

 高校生の時も同じようなことを言われた。

 最後に彼女は、私を抱きしめずに去ってしまったけど。


 私はきっと自分のことを、あんまり好きじゃない。

 さも見て欲しいようにふるまってるけど、ほんとは誰にも注目されたくない。

 でも、ちょっと胸が大きいだけで、エッチな存在だと思われる。

 いつの間にか自分でも自分のこと、そうだと思い込んでしまう。

『自分のこと傷つけないでよ!』

 確かに…私は自分のこといじめてた。

 お前は、エッチなメスブタなんだから、早くイケって──

 オナニーする度、何かが満足したけど…でも同時に何かを失ってる気がした。

 きっと、自傷行為と変わらない。

 自分のことを否定して、傷口は余計悪化する。


「……」

 でも、今、ユウカは──私のこと抱きしめてくれてるから。

 もう、きっと大丈夫だと思う。

 今度は、離さないように──抱きしめた。

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