第19話 Yourself
『伊神君、元気?
私は今、昼間の動画見ながら、トイレでオナニーしてるところ。
伊神君にも送ってあげる。
一緒にオナニーしよ?』
電話がかかって来た。
ビデオ通話の画面に、トイレの室内と、便器に座ったサチさんが映る。
僕もズボンを降ろして、ペニスを向ける。
「外のユウカにバレるから声出せない」
聞こえるか聞き取れないかの声で、画面越しに囁いてくる。
わざわざイヤホンを付けてるから、こっちの声は聞こえてるんだろう。
「いつも、隠れてやってるの?」
うん、と頷く。
「昼間、二回イったのに?」
んふっと笑う息が聞こえる。
口に手を当てて抑えている。
絶えず腕が動いていて、表情を見ると感じてるのが分かる。
四本指を立てて見せてきた。股から離した指は体液でヌラヌラしていた。
「一日四回はいくの?」
頷いて、またすぐに自分の股を触るのに戻す。
「まいにち」
画面に顔を近づけて囁く。
「あのさ……カメラに精子ぶっかけてくれない?」
「スマホ汚れるからやだよ」
今度は唇が近づいてきて画面が一瞬真っ暗になる。
明るくなったらカメラが曇ってた。
「キスしてくれてもだめ」
今度は外カメに切り替えて、カメラを足に向ける。細い足が綺麗に二本並んでいる。
パーカーの袖で丁度股は隠れてる。
ちょっと待つと、ちょろちょろと音が聞こえてくる。
「僕のことどんな趣味だと思ってるの?」
お尻の穴を触らせてきたりとか。
「汚いでしょ」
彼女の趣味は良く分からない。
「サチ大丈夫? お腹悪いの?」
コンコンとノックがして伊神さんの声がした。
「大丈夫」
インカメに切り替わって、やべって笑ってる。
「まだいってないのに」
「無駄なことしてるから」
「じゃあね」
通話が切れた。
『サチが寝たら、もっかいやる』
メッセージが送られて来た。
『沙月君も起きてて』
「……」
少し悩んで、起きてることにした。
彼女に送られて来た昼間の動画を見ながら。
「なんかこそこそ話してたけど、何してたの?」
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