「すげぇ、流石漱石先生だわ……さっぱりわかんねぇ……!」
というのが、正直なところの第一印象でした。
いや、やっぱあの偏屈1000円札、癖強ですわ……。
読みやすくほぐしてもらっても頭に入るのに一苦労ですもの……。
というか、これ読んでよくぞ漱石先生の片鱗をお掴みになられたというか、多少なりとも理解をした上で再翻訳することができたものだと……。
なので、これは相当覚悟しないといけないぞ、とじっくり腰を据えて、一つの文章を読み通すこと二度三度、という牛歩ペースで読み進めまして。
大分と骨を折りつつも、自分もなんとかその坊ちゃん猫の片鱗をひっかけることができたな、という気分になれました。
いや、でもほんとよくぞここまでほぐしましたね……!?
私のこの苦戦具合からもわかるとおり、決して読んでスッと頭に入るような、楽な論文ではありません。
ただ、その一欠片でも一部ひっかけることができれば、一瞬だけ、1000円札になれます。
読み解く覚悟と相応の知能がある方は、是非とも本作を読んで1000円札に触れてみてください。
西添さんから文学論の話を振られて私も夏目漱石の文学論を読もうとしました。ダメでした。
旧字体の上に英文混じりです。漱石、なんでなん…せめて日本語でいいんやないかな…。
というわけでこちらが私が持てる夏目漱石の文学論との唯一の接点になりそうです。
本文公開前にこんな風に書いて緊張させてしまうのは申し訳ないかもです。でも内容が正確だろうがなかろうが私はどちらでも構わないと思います。
この難読書を2周して咀嚼してくれるんです。最高です。そして中身に寄らずそのチャレンジにそもそも見る価値があります。
これは令和の感覚で再定義される文学資料であり、若者が漱石に挑戦する物語です。気負わずのんびりどうぞ。
おすすめです。