少年と青年の間で彼らは揺蕩っていた
- ★★★ Excellent!!!
海軍兵学校に集まった「例外」の5人組、遠い時代に生きた彼らにも青春があり、友情があり、そして隠された謎と残酷な運命が待ち受けていた。
昭和十三年という遠い過去に生きた彼らの、しかし揺れる水面のようにキラキラ輝く少年たちが成長していく過程が美しく鮮明に、そして時には残酷に詳細に描かれていました。
彼らの友情がとても眩しく、しかし話が進むにつれて彼らの姿は研ぎ澄まされて、ゾッとするほど冷たく立派に成長していきます。大人でも子供でもなかった彼らが、傷つき傷つけられ変わっていく姿があまりに細やかに描写されて、はっと息を呑んでしまいます。
海軍兵学校にいた彼らの命の輝きに目が奪われる、儚くも強烈な胸に刺さる青春ミステリーでした。