@UandLeo

第1話

 私は、他人からの反応が好きだ。他人からの反応で、幸福を感じる。自分の行動が、他人の心を動かしていることに、とても興奮を覚える。


 私が中学生の時、反応が欲しくて、奇妙な行動をとった。自分のノートのページを破り、そこに妙な落書きを書いては、教室のいたるところにばらまいた。そんな時に得られた反応は、笑顔と困惑だった。


 とても、気持ちよかった。


 別の日には、ペットボトルを回転させて立たせてみた。失敗しても、何度も。すると、次第に人が集まってくる。私が、ペットボトルを立たせるたびに、歓声があがる。


 とても、うれしかった。


 そうやって、他人からの反応を得ようといろんな行動をした。できるだけ、人の目を惹くように。だけど、心が完全に満たされることはない。一時の幸福が得られるだけで、時間が経てば、また欲しくなる。

 そんな、心の溝を埋めるために、私は恋をした。とにかく、だれでもいいから、私の心を埋めてほしかった。同級生に声をかけて、たくさん話をした。


 話している間は、とても安らいだ。


 だけど、やっぱり、完全に満たされない。恋人になれば、満たさせるのかな。そう思って、付き合ってほしいと頼んだけれど、相手はそのつもりはないらしい。結局、また、満たされない日々を繰り返す。感染症で登校することができない、中学2年生の初夏だった。

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