写真部の少女が、にじむ色を撮りたくないと言いながら、最終的に「街がほどける」ほどの色彩の変化を受け入れるその心理の振れ幅を十首の短歌で丁寧に描いている。百人一首の言い回しを引いた一首が、自分でも認めたくない感情のうねりを古風な余白の中に閉じ込めていて効果的だ。
レビューで多くの人が触れている通り、「色づく」でも「染まる」でもなく「ほどける」という結句の選び方に、この連作の核心がある。先輩への気づきを直接の告白ではなく、レンズの向きや距離の測り方といった写真部らしい所作で語っていく手法が、短歌という形式の制約をうまく活かしている。
モノクロからやまぶきいろへたった278文字の中に、青春の心の動きが静かに、しかし確かに描かれている。
流れがとてもきめ細やかで、水のように自然と移ろう短歌たちでした。
まるで、そっと掌に注がれた光の粒を見つめているような――
そんな、静かな余韻が心に残ります。
中でも印象に残ったのが、百人一首の一節。
我ならなくに
ここに込められた、あえて言葉にしきらない感情の揺らぎと余白が美しくて……✨
一首のなかに、無言の葛藤がそっと佇んでいるようでした。
そして何より。
やまぶきいろに
街がほどける
染まるでもなければ、色づくでもなく...
「ほどける」
その言葉遣いが本当に、優美で繊細で、柔らかくて、素晴らしくて...‼️
優美な情景が浮かび、心を奪われました。
読後の余韻までも、うっとりと美しく導いてくれる短歌。
静かに、深く、心に触れる言葉たちを味わいたい方へ。
どうかこの短歌の世界に、そっと触れてみてください☘️✨