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目が覚めたとき、



カーテンの隙間から差し込む光が



やけに柔らかく感じた。



昨日のことが夢じゃなかったって、



スマホの通話履歴が証明してくれる。



「李玖」って名前が、たった数分の記録を



残して、そこに並んでいた。



まだ少しぼんやりとする頭のまま、



ベッドの中でスマホを握る。



通知は来てない。



……でも、昨日の声がまだ耳に残ってる。



──「俺が行く。絶対に、迎えに行くから」



たった一言で、



心の奥の張り詰めていたものが緩んだ。



不安も、怖さも、全部じゃなくても、



少しだけ楽になった。



「……会えて、よかった」



思わず呟いた言葉が、



自分でも驚くくらい素直で。



胸の奥が、じんわりと温かくなった。



朝の支度をしながら、



スマホをチラチラ見てしまう。



メイクをしてるときも、



トーストをくわえてソファに座ったときも。



“返信が欲しい”んじゃなくて、



“今日も李玖と話せたらいいな”って、



自然に思ってる自分がいた。



そんなときだった。



「ピロン」



小さな通知音が部屋に響く。



思わず手に取ると、そこには──


_____

李玖 ➤ 茉耶

おはよう。昨日、ほんとに無事でよかった。

まだ気持ち落ち着かないかもしれないけど、

今日も変わらず、茉耶にとっていい一日になりますように。

_____



「……なに、それ」



思わず、口元がゆるんだ。



優しくて、あったかくて。



昨日あんなに怖かったのに、



今日は少しだけ、心が軽い。



李玖の言葉には、そんな力がある。



_____

茉耶 ➤ 李玖


おはよう☺️

昨日は本当にありがとう。

ちゃんと寝れたし、今朝は気持ちも少し楽になったよ。

李玖も、いい一日になりますように。

_____



送信ボタンを押す指が、少しだけ震えた。



だけどその震えは、不安じゃなくて、



どこかあたたかい期待だった。



今日も、少しずつ前に進んでいける気がする。






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