世界を救え?いいえ私は平和なモブを希望します。
東雲アリス
第1章 どうして私を選んだか三行にまとめなさい
第1話
「待ちやがれー!!赤月!!!金を払ってからこっから出やがれ!!!売り飛ばすぞ!!!」
「待てと言われて待つ馬鹿がいるかよばぁーか!!!貧乏舐めんな」
私はビルにあるバイクをスタンドを払いまたがりエンジンをかける
「じゃあ!!来月で」
私は降りてきた組の人間にそう告げ鍵の刺しっぱのバイクで移動した
私の名前は
年は十六。高校生。
施設で育って、ようやく高校に入った。入れてもらえた。
「バイトして金返すなら、行ってもいい」
それがあの人たちの条件だった。
“あの人たち”というのは、母親の借金を背負った私を見つけて、勝手に囲い込んだヤクザ連中。
名義は母。連帯保証人は私。
なんの説明もなく、母親は逃げた。
私が小学五年のときに、父が事故で死んでから、あの女はどんどん壊れていった。
パチンコ、スロット、競馬、男、ホスト、また男。
私に遺産として残されたのは学資保険だ。父は私にかけていたが相続後母親は即解約しその金すら使いこんだ。
私は今橋の下で草を食べながら暮らしている。バイト先ではシャワーを貸してくれるためそれだけは幸いだ。理解ある店長には感謝しかないが
「普通に、生きたい」
今日はなんかの星が時間をかけ地球に来る日だ。私はそれを橋の下から流れ星に向かって、わたしはただそれだけを願った。
「闇金から追われることのない、貧乏でもいいから家で暮らしたい。食べれる草とかもういいんだよ」
たった、それだけ。それが罪なのか知らないが流星が裂け謎の光が私を包み込むようにやってきた
「冗談はやめろよおい」
私はそれから逃げるためバイクに乗りエンジンをかけようとするがつかない
「転生とか転移とか召喚とか転写とか転換とかお断りなんだけど」
私は叫ぶがその苦労むなしく意識を失った。
「…さん」
「…めいさん」
「…つきめいさん」
「…あかつきめいさん」
誰かが私を呼ぶ声が聞こえたが腹立たしいので無視を決めたが起きない私の体を揺さぶりながらさらに叫ばれる。
「失敗か?巫女様をもってしてもこの国はダメか」
「巫女様をもってしても勇者様の召喚はやはり無理なのか」
「終わりだ!もう終わりだ!この国は魔王シルエットの手で滅ぼされるんだ」
「シルエットの妨害で勇者様は死んだ」
「呪いだ」
なんだか私が死んだことにされて議論が飛び交い起きるに起きずらい
「どっきりでしたー」
なんて言える空気はここにきてからたぶんなかったと思うので起きない私の行動は選択の中で一番とってはならない悪手だった
「しょうがないこの遺体は燃やそう」
燃やす!?燃やすだと!?なんか変な詠唱まで始めてこれは完全に火葬する流れが出来上がってるし!なんで呪いのせいにしてるんだ馬鹿なのか!?火ぃ焚く前に医者呼べよ! とか聴診器当てろよ! 無いんなら魔法診断でも何でもいいから生死確認の基本やれよ!その詠唱とやらでできんじゃないのか!!
「待ちなさい!」
そうだ巫女!あんたは聡明だろうから言ってやれ!!
心の中で言っても仕方ないけどさ!
「せめてこの方は私の手で弔わせてください」
従者も馬鹿なら巫女も馬鹿か!ふざけんな。少しでも私の見方をすると思った時間を返せアホ巫女
「巫女様。失礼ながら、あなた様の魔法は既に魔王の手により呪われております
ここは我々にお任せください」
なんか私の死を悼む巫女の鳴き声が聞こえるがそんなのいいからこの馬鹿どもを止めてくれよ!こっちは燃やされかけてんだ。魔女裁判にかけられたわけでもないのに何でこんな目に合うんだ!普通の生活どこ行った。ここに飛ばした馬鹿に広辞苑で普通を引かせて100は書かす!!その後?もちろん広辞苑で殴ってやる。
角で!!
詠唱が再開される。薄目でみたそれは焚き火ではなく、巨大な“浄火の炎”を作っていた。もういろいろ我慢した!ツッコミたい気持ちは十分抑えた。
限界だ。ここまで耐えた私は国民栄誉賞受賞レベルだ。自分でも何言ってるかわからないがこいつらに比べたらましだ。私は大きく息を吸った。大きく
「燃やしたら承知しねえぞゴラァアアアア!!!!!」
反響する声。
詠唱、止まる。
誰かが腰を抜かす音。
巫女はガチで泣きそう。
そして騎士団長が、かすれた声で一言。
「……勇者様、生還……?」
だからなんで死んだことにしてんだよ。
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