「S」がある本棚の「S」の話

黒羽

001 十文字ナナメ氏「クラスのS級ギャルに勉強を教えたら、なぜかグイグイ迫られて困っています」

タイトルに偽りなしのストレートな作品。主人公とヒロインがひょんなことから勉強を通じて顔を合わせるラブコメ作品。学校の教室という、様々な人が想像しうる光景の中で、クラスのS級ギャルと、成績は良いが人との関りが希薄な主人公が、教え・教わるという関係を通じて二人の距離が変化させていく。


この作品における「S」はヒロイン“神崎かんざき揚羽あげは”への評価に関するもの。学校という小さな社会の中でクラスメイトを「どのぐらい」と評価する、学園モノで見られる会話の一要素だ。


その意味は「最上級」であり、主人公“相坂颯太”や、クラスメイトから見た「神崎さん」の立ち居振る舞いを評したもの。とくに相坂から見た「人当たりの良さと社交性」がその「S」の大きな理由らしい。


作中の「S」は作品の動機としての役割を担い、そんな神崎さんの「S級らしさ」が物語を押し進めていく。常に「S」が関わる作品ではないにせよ、特別な存在という意味で話を広げていく「S」感と、二人の関係性が気になる一作。

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