最終話 SNSの向こう側

事件は解決し、元教師とサイバー犯罪グループは逮捕され、桜井楓も無事保護された。

学園に平穏が戻り、生徒たちは日常を取り戻し始めた。

しかし、美羽の心には、今回の事件が深く刻まれていた。

SNSという便利なツールが、人を傷つけ、犯罪の温床となり得る現実を目の当たりにしたからだ。


美羽は、健太といつものカフェでドーナツを食べていた。

健太は、今回の事件で自身のIT技術が多くの人を救ったことに安堵していた。

「今回の事件で、改めてSNSの怖さを知ったよ。

情報の扱い方を間違えると、あっという間に人を追い詰めてしまう。

僕らの技術も、使い方次第で良くも悪くもなるんだな。」健太は、真剣な表情で言った。


美羽は、健太の言葉に深く頷いた。

「そうね。でも、SNSには光の部分もあるわ。離れた場所にいる人とも繋がれるし、必要な情報もすぐに手に入る。私たちも、SNSを上手に使って、事件を解決できたんだから。」


五十嵐刑事も、今回の事件を教訓に、SNS犯罪への対策を強化する必要性を感じていた。

彼女は、デジタル偽装やなりすまし、誹謗中傷といった新たな犯罪手口に、警察組織としてどう対応していくべきか、上層部に提言を行った。

また、美羽たちの協力が事件解決に大きく貢献したことから、今後は市民との連携も視野に入れるべきだと考えるようになった。

彼女は、美羽に「君たちには、これからも協力してもらうことがあるかもしれない」と、期待の言葉をかけた。


私立探偵の大山剛は、今回の事件で美羽の能力を認め、彼女に一目置いていた。

彼は、自身の古臭い探偵像が揺らぐのを感じつつも、新たな探偵の可能性を美羽に見出していた。

大山は美羽に、「困ったことがあったら、いつでも連絡してこい。この世界には、SNSだけじゃ解決できない事件も山ほどあるからな」と、独自の助言を与えた。


美羽の「SNS探偵」としての活動は、これで終わりではない。

むしろ、ここからが始まりなのだと、美羽は感じていた。

彼女の周りには、これからも様々な事件が起こるだろう。

しかし、美羽は、どんな困難な事件であっても、真実を追い求めることを諦めないと心に誓った。

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美羽の事件簿〜SNS探偵〜 兒嶌柳大郎 @kojima_ryutaro

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