第9話 父の心配、母の祈り
スマートスピーカーから響いた「シャドウ」の声は、美羽の家族にも大きな衝撃を与えた。
美羽の父は、娘の身の安全を何よりも心配し、事件から手を引くよう改めて強く美羽に懇願した。
「美羽、お前が巻き込まれるようなことになったら、父さんは…」彼の言葉には、心からの不安と愛情が込められていた。
美羽の母も、父の言葉に同意し、心配そうな眼差しで美羽を見つめる。
しかし、美羽は、一度始めたことを途中で投げ出すことはできなかった。
楓の身に何が起きたのか、そして「シャドウ」の正体は何なのか。
その謎を解き明かすまでは、引き下がれない。
「お父さん、お母さん、心配かけてごめんなさい。でも、私、この事件の真実を知りたいの。楓さんのことが、放っておけないの。」美羽の強い決意に、両親は複雑な表情を浮かべた。
しかし、最終的には、娘の強い意志を受け入れ、彼女を信じて見守ることを決めた。
美羽の母は、そっと美羽の頭を撫で、「無理だけはしないでね」と優しく声をかけた。
美羽は、両親の理解を得て、さらに捜査に集中できるようになった。
彼女は健太と共に、小林沙織が言及した「シャドウ」の正体と、楓が最後に口論していた人物について、情報収集を続けた。
沙織は具体的な名前を挙げなかったものの、その人物が「楓の人気に嫉妬していた」こと、そして「楓のプライベートに非常に詳しかった」ことを示唆していた。
健太は、これらの情報から、楓の周囲でSNS活動に関わっていた人物のリストアップを始めた。
その中には、楓の熱狂的なフォロワーである田中誠の名前も含まれていた。
田中は、SNS上で独自の「捜査」を展開し、楓の失踪に関して過激な投稿を繰り返していたが、彼の言動は時に真実を歪め、混乱を招くものだった。
一方、五十嵐刑事は、小林沙織の供述から得られた情報をもとに、彼女が誹謗中傷に使っていた裏アカウントのIPアドレスを辿っていた。
そのIPアドレスが示す場所は、意外な人物の自宅だった。
この情報が、事件を大きく動かすことになる予感に、五十嵐刑事は捜査に一層の力を入れた。
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