マウさんがぬう度を超越したようです~美魔王のお部屋~

夏目 吉春

第1話 ちょお悦♡の日

マウ「みなさん、ちょお悦のお時間ですよ~♡」

マウ「おいハル ちゃんと言った通りつくたんだろうな ええ!?

 まさかとは思うけど “なんか流れで勢いでノリで”とか言わねえよな? 

 てめぇそれ毎回だからな。何回“勢い”に人生委ねてんだお前は」


マウ「で? タグは? 紹介文は? 逃げ道は? おれのちょお悦が暴走した時用の非常口は? 用意してねえなら──

 今日の収録は、血で書くことになるなぁ」


ハル「いやいやいやいや、文字通りはやめて! たのむからメタファーでいて!」


マウ「いいか、これは遊びじゃねえ。

 ぬう度を超えた“ねえ度”を測る戦場なんだ。ぬうどころの話じゃねえぞ。

 この空間で下手打ったら──バンか、爆か、BANか、だ」


ハル「バン…爆…BANって、結局ぜんぶアウトじゃん…」


マウ「っつーわけで、第一回──

 “マウさんの、ちょお悦のお時間ですよ~♡” 記念すべき開幕だ!!」


ハル「記念すべき…からの…地獄の予感しかしねぇ…」


マウ「さぁて今回のネタはな──“ある日突然、美魔王にスカウトされて使い魔になったやつの悲劇”だ。悲劇だぞ? 笑うなよ?」


ハル「誰よりも笑ってるのはマウさんだよな…」


マウ「いっくぞ~~♡♡」


ハル「ど、どこえ!? がくぶる…!」


マウ「決まってんジャン。ねえ度ハンとよ☆ 今日はねえ度5の伝説を生むから覚悟しとけ、ハル」


ハル「な、なんすかそれ…判定基準すら謎なんですけど…!」


マウ「うっさい! 感性だよ、感性! 空気で掴め! 昭和の現場かよってノリでいけ!!」


ハル「そ、そんな無茶な……ていうか俺、スタッフ? 被害者?」


マウ「お前は“犠牲者”枠。カメラこっち向けて。はい、録画ァッ! ぬう度の先にある、ねえ度の向こう側へ――!」


ハル「いやキャッチコピー的にキマってるけど! 怖いから! ちょお悦の時間ってこういうこと!?」


マウ「バーカ、これはまだ“ウォームアップ”。今日は収録3本、1本目は『美魔王の降臨☆初見殺し編』!」


ハル「編って言った! 絶対シリーズ化する気だこれぇ!」


マウ「はい本番いきま~す♡ “みなさん、ちょお悦のお時間ですよ~!”」


ハル「もう戻れない気がする……俺の人生のねえ度、今MAXで計測中……!」


ハル「……あれ? ちょ、まって、カメラ……あれ……えっ、電源、落ちて……」


マウ「はァァ!? なんで!? ねえ!? 今、一番イイとこだったんだが!?」


ハル「す、すいませんマウさん、バッテリーが……その……さっきのテスト撮影からそのままで……」


マウ「おまえ電卓よりつかえねえなああ!! ぷんすかーーっ!!!」


ハル「電卓に負けるってどんな評価……!? ぐわあああああ!!」


マウ「次から自家発電でもしとけ! 鼓膜じゃ済まさんぞこのおたんこナス!!」


ハル「ねえ度より生存率が心配なんだけどーー!!」


マウ「ハイハイ、今どき小学生でもフル充電してから遊ぶわ。おまえ時代錯誤か?」


マウ「次からはカメラじゃなくておまえの魂に記録しろ☆」


マウ「はいこれ、ねえ度5ね。殿堂入り。もはや哺乳類やめた方がいい。」


ハル「ずびばすぅうぇん……(嗚咽まじりに土下座)」


   終劇


※このしょうもないお話は、不定期で更新させていただきます。

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