髑髏坂仁一の悪夢美術館

缶津メメ

第1話 「半端事件」

「半端事件」。

20××年に起こった、連続猟奇殺人事件である。同年四月時点で確認されている被害者の数は十人にも上る。被害者の遺体に共通しているのは、――――――どれも、遺体の一部が欠損しているという点である。

ある者は腕が無く。

ある者は眼球が無く。

ある者は耳が無く。

ある者は、首だけしか見つからず。

いつしかその事件は世間では「半端事件」と名付けられ、報道を見た人々は恐怖し、ある者たちは好奇心を擽られた。

一体、なぜ遺体の破壊を行うのか。犯人像は。動機は。

すべてが不明のまま、被害者だけが増えていった――――――――



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る