第14章
放課後のカフェテリア
美結と向かい合って座ってたけど
私はずっとスマホをいじってばかりだった
メッセージのやり取りをしてるわけじゃないのに
なんとなく画面を眺めてるだけで心が落ち着く
だって、そこに”悠”の名前があるから
「…ねえ玲那」
ふいに美結がじっと私を見つめてきた
「…ん?」
「なんか最近さ、変わったよね」
「…変わった?」
「うん、前はもっと冷めてたっていうか…
全部どうでもいいみたいな顔してたのに」
「……」
私は少しだけ目を逸らした
「最近なんか、こう…わかりやすいっていうか」
「わかりやすい?」
「うん」
美結はニヤっとしてストローをくるくる回しながら言った
「恋してる顔してる」
心臓が跳ねた
思わず口元が熱くなるのを感じる
「……別に」
「素直じゃないな〜」
「…まあ、ね」
わずかに笑いながら
小さく肯定した
だって否定できない
悠といる時
今までにないくらい
胸の奥がずっと温かくて
ずっと苦しくて
毎日、心臓がうるさかったから
美結はこっちをじっと覗き込みながらニヤニヤしてたけど
もちろん相手のことまでは聞いてこなかった
──誰にも言えない秘密
その”秘密”が
余計に甘くて、苦しかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます