第3章

__次の日の昼休み


 


「玲那〜!次さ、体育でグループ組もうよ!」




明るい声で話しかけてきたのは、美結だった


「…あー、いいよ」




適当に返してスマホを眺める


LINEの通知も特にない


「玲那、最近また冷めてるよね〜」


「いつもだよ」


美結は苦笑して笑うけど

これがいつもの私だ



学校は退屈



授業なんてただの作業


男子はみんなガキ臭くって、つまらない話しかしない


休み時間はスマホをいじって、誰かの噂話




__そのどれにも、もう心が動かない



「てかさー、玲那ってなんで最近彼氏作んないの?前の子ともすぐ別れたじゃん」


「別に…つまんないし」


「いや、まぁ分かるけどさぁ」


美結は笑いながら飲み物のストローを噛んでいた


「どうせまたすぐ飽きちゃうから」


口に出してる自分にも呆れる


ほんとは別にイケメンが嫌いなわけじゃない



だけど




誰と話しても


どこか表面だけな感じがして

心が動かない


 


──もう、誰でもいいわけじゃないんだよね


 


「玲那、授業だよ〜!」


「あー…」


重い腰を上げて教室に戻る


窓から見える空はやけに青くて

その青さが、やけに遠く感じた


 


あの人の店で過ごす夜だけが

今の私の中で唯一、色がついてる時間だった

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