【連載】チンピラとわたし(旧)

小松 煌平

プロローグ

わたしは翔子。


仕事が終わってから一緒に働いてる裕子ちゃんと遊んで、そんで、始発で帰ってきたんだ。


……どんな仕事?


言わないといけない?


まあ、いいか。――「風俗」、後は勝手に想像して。


でもね、好きで働き始めたんじゃないんだ。


「借金のカタだ」って男に売られたんだ。「カタ」ってなんだよ?


ちょっと来いって言うからついて行ったら、そのまんま。ひどいでしょ。


でも、借金を返しても働いてる。お金は必要だからね。


そいつ、サブって言うんだ。変な名前でしょ。


友達から「ホモ?」って聞かれたから聞いてみたんだ。


そしたら殴られた。


今日は休みで、午後から香織と買い物に行く約束してたから、それまで「寝よ!」って布団に被ったの。明るいからさ。


そしたらさ、サブが来た。


ほんっと、信じらんない!


いつもは、午前中になんか来ないんだよ。


それでね、あいつ、言ったんだ。「若頭をやった」ってね。


「やった」って何よ?わけ分かんない。


だから聞いたんだ。「やったって何をやったのよ!」ってね。


そうしたら、あいつ……

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