ゲイのおタケさんと一緒に悪口軽口、罵詈雑言

則巻 アライ

第17話 アナログ文房具

 昔から文房具が好きだった。キャラクターもののノートやら鉛筆やら。おかんの財布から、こっそり100円玉失敬し、いそいそと文房具屋まで走ったもんだ。


小学生の頃はボールペンなんか使わんから、シャーペン(シャープペンシル)ばっかり、買い漁ってたわ。


シャーペンばっかり、幾つ買うんや!と親に叱られても、デザイン違いが欲しくなったりするのよ。


私の子供時代には、香り付き消しゴム、ロケット鉛筆。

引き出しやらボタンやらのついてる筆箱(今なら多機能ペンケースとでもいうのか?)

なんかもあって、文房具兼おもちゃとか機械要素があって、楽しかったのだ。

やたら、ガチャゃついておった。


職場でもPCとスマホ使用頻度が断然多いんだが、まだメモは手書きだし、社会人になったらボールペン使う頻度が増えた。


ベタなんやが、三菱ジェットストリームの書き心地は良くて、替え芯購入しとる。

私は0.5 mが好き❤️

それでも、よそからゼブラのブレンが良いと聞けば試してみたくなるし。


クゥー、文房具 沼


おタケさんの店で愚痴る。

「スーツの胸ポケットから、スッと取り出す

ボールペン✍️がパーカーとか憧れたわ。

残念ながら、そんな仕事やないけど。」


「あら。

 アライちゃんは、まだまだアナログな職場

じゃないの。

検査の同意書にサインしてください。とか、よく言ってるでしょ。」


「病院で高いボールペンなんか使わんよぉ〜。トイレの介助も多いのに。

患者に貸すのは、安いボールペンだけ。」


これには、おタケさんも激しく同意。

「そうよね、職場に高いボールペンなんて必要ないわよ。」


「私、患者に自分のボールペン貸したら、パクられた事あるし。」


事実。


その患者は86歳やったから、本人はパクる気がなく、ついうっかり持ち帰ったのかもしれんが。

貸した方は恨んでいる。それがたとえ、黒一色だけのジェットストリームのボールペン0.5 mだとしても。

あいつ、返さずに退院しやがった。と当時の私は本気でキレた。


「はい、今日はこれよ。」

差し出されたのは、パスタ。


ん、ちょっと辛い。あ、このパスタはマカロニじゃなくペンネね。

ペン先みたいな形してる奴。

牛のひき肉と相まって、ペンネ書くだけじゃなく料理もいいじゃないかい。


「文房具売り場って、色が混ざりあってカオスでさ。」

眼福。見ていてそそられる。


「カチャカチャとか。線引く時のザーッと。」

耳福。

好みは分かれるが、私、キーボード音やASMR好きやから問題なし。


「実際、紙に試し書きする時。

スラスラ書けるんか、ヌルヌルした感覚か。」

触福

これは体感して得られる喜び。


「アライちゃん、アナログ派ね。」

おタケさんには、アナログ宣言されてしまったが、文房具だけはアナログ脱することできませんわい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る