女王様のえっちな放課後レッスン〜変人のふりをしたら、学園No.1美少女が保健体育の実践指導をしてくださって幸せすぎる

丸尾裕作

第1章  白鷹さんの保健体育実践指導編

第1話  変人のふりをしていただけで、学園No. 1美少女が保健体育の実践指導してくださった件

 モテたい。


 俺、黒小鳥聡太は単に女の子にモテたいんじゃない。 


 すごく可愛い女の子たちからモテたいんだ。

 それから、ひょんとしたきっかけが起こってしまって、ラブコメしたい。

 その結果、同学年にいる学園No. 1美少女、白鷹まりあさんみたいな彼女ができてほしい。

 

 だけど、うかうかしてたらもう高校2年生の4月半ばにもなってしまった。

 

 白鷹さんが彼女になったらどうしたいかだって?

 キスをしたい。

 おっぱいを揉みたい。

 甘い言葉を囁かれたい。

 白鷹さんのことを一瞬でも考えると俺のあらん限りの欲望が溢れ出ちまう。


 そう思った俺はどうやったらモテるかをインターネットで調べに調べまくった。

 何日も、何日も。

 猛烈な努力を重ねた結果、ある日、突然俺は知ったんだ。


 超絶美少女は変人に興味を持つって。

 

 もしかしたらこれならいけるかもしれない。

 

 手始めに学校内で広辞苑という読書をするという奇行をやり始めた。

 来る日も来る日も読んだ。

 おかげですじりもじり運動などという無駄な語彙を手に入れたりとかなど無駄な語彙力を重ねてしまうぐらいにはなった。


 でも、周りからは少し浮いただけで効果はなかった。

 

 そんな中、運命が変わるその日がやってきた。


 高校で生物の授業の受けていた時のことだ。

 先生が受精の話をしていた。


 きゅぴーん。

 閃いた。

 漫画ならば、光った電球が頭の上にあることだろう。


「何か質問がありますか?」

 

 先生が俺たち生徒に問いかけてきた。

 自分の話を聞いているかという確認の意味もあるだろう。

 よしっ、ここだ。


「はいっ!」


「黒小鳥くん」


「先生、赤ちゃんってどうやって生まれるんですか?」

 

 俺はばばーーんと言い放った。

 まさに爆弾発言だろう。

 だめ押しをかけておくことにする。


「コウノトリが運んでくれんじゃないですか?」

 

 しーん。

 クラスは静まり返った。

 今日こんなにもしーんという擬音が似合う状況に俺は出会ったことはない。

 どうだ、これは変人だろう。

 俺は踏ん反り返っている。

 

 先生は口をポカーンと開けていた。

 生物の先生が絶句している。

 大成功だ。


「あいつヤベェぞ」

「マジかよ」

「嘘だろ!」


 周りを見渡してみる。

 

 俺はふと現在の状況に気づき、冷や汗が流れ始める。

 やっべぇー。

 やりすぎた。

 

 でも、教室の隅で本を読む白鷹さんだけは、静かに目をぱちぱちとして、頬杖をついてじっとこちらを見ていた。

 クラスメイトが騒がしい中、誰も近寄らない孤高の空気感が、まるで学園の女王様のようだった。

 肝心の白鷹さんからのアクションだって薄い。

 

 めっちゃ失敗した。

 どうしよどうしよどうしよ。

 いくら変人でもこうではなかった。

 奇声を突然上げるとかは違うし。

 これしか思いつかなかったんだ。

 俺は自分が取り返しのつかないミスをしてしまったことに後悔した。

 もう俺の学校生活終わりだ。

 あー、どうしよう。

 

 噂は学年中に広がり、後日、俺のあだ名はコウノトリへとなってしまった。



 教室の外を出て、周りに誰もいない踊り場に出た時。


 ぽんぽん。

 右肩を叩かれた。

 俺は振り返る。


「んみゅっ」


 俺の頬が誰かの人差し指で突かれた。


「ねぇ、黒小鳥くん。17歳にもなって赤ちゃんのでき方、まだ知らないの? 保健体育のお勉強は今までどうしてたの?」


「なんのことだ? コウノトリが運んでくるんだろ?」


 俺はしらを切りながら、振り返る。

 声の相手の正体にめっちゃ驚いた。

 

 白鷹まりあさんだ。

 

 まじかよ。

 ニヤニヤとこちらを見つめていた。

 めっちゃ可愛い。


「まぁとんだチェリーボーイね、あなたって男よね? えっちって知ってるのかしら?」


 白鷹さんはおかしなモノを見下してるかのような目で楽しげに笑う。

 

 まさに女王様とはまりあさんのことだ。

 しゃべるだけで、もう嬉しすぎて興奮しかできない。

 

 黒髪で、腰髪までの長さのツインテール。

 透き通るような白い肌。

 ぱっちりとした大きな瞳。

 均整の取れた抜群のスタイル。

 この世に顔も可愛いし、スタイル抜群で、こんな超絶美少女がいることにやっぱりびっくりしちゃう。

 1000年に1人の天使も最高かもしれんが、こんな白鷹さんはすぐそばにいるのだ。

 遠く離れた芸能人より身近の超絶美少女の方が俺にとってはありがたすぎる存在だ。

 と、脳内に高速で流れる思考を努めて冷静に処理しつつ、俺は深呼吸をする。


「なんのことだ、言ってる意味がわからんぞ」 

 

 俺は精一杯カッコつけた。

 嘘だけど。

 周りがスマホを見ているなら、俺は広辞苑をクラス内で読んでいた時からシミュレートしていた言葉を思い出す。


「人がやらないことをあえてやる、これこそが天才に通じる道だ」


「まぁまぁ、あなたなりに頑張ってるのね」

 

 白鷹さんはくすくすと笑っている。

 まるで子供をあやしてる母親のような笑い方だった。


「はっはっはっ、俺こそが天才だからだ」

 

 いや、めっちゃ凡人だけどな。

 凡の中の凡。

 モテたくて突っ走って目立ちまくって引き返さないだけだ。

 俺は冷や汗をかきまくっていた。

 

 白鷹さんはいきなり顔を近づけてくる。


「ねぇ、そんな天才の黒小鳥くんはどうして保健体育に初歩の初歩も分からないの?」


「なんで保健体育になるんだ?」


「ふーん、あなたは特別なのね、どうやって生まれたのかしら? こんなピュアな天然記念物」

 

 俺の目を白鷹さんはじっと見つめてきた。

 白鷹さんの口元を見ると、ニマニマとしていて、吹き出すのを我慢しているようにも見える。


「じゃあ、学年1の美少女のこの私が特別なレッスンをしてあ・げ・る」

 

 白鷹さんは俺の唇に人差し指を当ててから、その指をぺろっと軽く舐める。


「まずね。誰でも知ってると思うけど、キスだけじゃ赤ちゃんはできないわよ」


「え、そうなの?」

 

 あくまで俺は知らんふりをする。

 いや、この演技ひどすぎてさすがにバレないか?

 白鷹は唇周りをペロリと舐める。

 なんかエロいなぁ。


「赤ちゃの作り方を手取り足取り教えてあげましょうか?」


「コウノトリが運んでくれるんじゃないのか?」


「まだそれ言うのっ! わざとだとしてもありえないわっ! なんなの、黒小鳥くん」

 

 白鷹さんは右手を口に当てて、目をキラキラさせてながらこちらを見つめる。

 いい感触な気がする。

 変人は美人にモテるって言うネットの言うことは本当だったのか?

 ここまできたら変を突き通すしかない。

 もう後に引くことはできない。


「違うのか?」


「こうなったら保健体育を教えなくちゃダメね、今すぐ実践で」

 

 白鷹さんはニヤリと笑う。


「保健体育の実践ってどうこと?」

 

 あくまで俺はシラを切る。

 さすがに知ってるけどね。


「んー」

 

 白鷹さんは頬を両手に手を当てる

 目を細くして、なんだか幸せそうな様子だ。


「黒小鳥くんは他の男子と違って、つまらなくないわねっ!」

 

 白鷹さんは恍惚とした表情を浮かべている。

 俺を見て、うっとりとしているがそんなに俺が面白いのだろうか。

 喜んでくれるのは嬉しいのだが。


「黒小鳥くんはすごく面白いわ。これから私に付き合いなさい」


「付き合うって何するんですか?」

 

 俺、今、白鷹さんに迫られている。

 うまくいったのか?

 ネットの情報は正しいってことか?


「じゃあ、今夜、私の家に来てね」


「え!」

 

 少しだけ声が漏れてしまった。

 しかし。

 え、えええええええ‼︎

 いきなりすぎる展開に俺は心の中で全力で叫んでしまっている。

 表ではあくまで平静を装っているが。

 こうして、白鷹の自宅へと俺は行くことになってしまった。


 

 おいっ。

 なんちゅー展開だ。

 保健体育を実践しちゃったよ。

 あんなことでえっちしちまったよ。

 いきなり。

 めっちゃ気持ちよかったよ。

 幸せすぎて、俺明日もう死ぬかもしれないって心配が湧いてくるほどだ。


「どうして、いきなり俺と?」

 

 まだ現実だと実感が湧かなくて、つい本音が出ちまった。

 素に戻ってるし、俺が本当は変人じゃないことがバレるかもしれない。

 でも、こんな大変なことが起こったんだ。

 聞かずにはいられない。


「黒小鳥くんといたら退屈しないんだもの」

 

 白鷹さんが裸で妖艶な笑みを浮かべている。


「広辞苑をずっと読んでた時から目をつけてたわ」


「黒小鳥くん、童貞卒業おめでとうー!」

 裸の白鷹さんが最初に目に入った。

 笑顔でニヤニヤと俺を見つめている。

 えっろ。

 その笑顔は反則級にエロくないっすか。


「もう一回教えてください」

 

「いいわよ」


 興奮しまくった俺は、この後も今回が初めてとは思えないほど楽しんだ。

 

 気づけば朝になっていた。

 チュンチュン。

 雀の鳴き声が聞こえた。


 これが俗にいう、朝チュンだとっ!


 変人のふりをしていただけで、学園No. 1美少女が保健体育の実践指導してくださるだなんて、俺は幸せすぎる。

 本当どういう状況だよ!

 あの白鷹まりあさんといきなりエッチできちゃったよ。


「今回は気が乗ったからしてあげただけよ。私飽きっぽいから、これからも楽しませてね、またエッチをしたいならね」

 

 白鷹さんは目を細めて、にやりと口角をあげる。

 どうやら白鷹さんは体の関係を持ってくれただけで恋人ではないらしい。

 俺は白鷹さんと恋人としていちゃいちゃとエッチもできるようになりたい。

 早急に、変人のふりのアイディアを考えようと気合いが入る俺だった。


◆◆◆あとがき、お礼、お願い◆◆◆


ここまでお読みいただきありがとうございます。


白鷹さんと黒小鳥の今後をお楽しみいただけたでしょうか?


もし、黒小鳥君うらやましい。

今後の展開をもっと見たい。

白鷹さん素敵


と思ってくださいましたら、


♡、☆☆☆とフォローを何卒お願いいたします。

レビューや応援コメントを書いてくださったらできるだけすぐ読みますし、返信も速やかに致します。


メインヒロインのイラストはこれです。


https://kakuyomu.jp/users/maruoyusaku/news/16818792436531940357


気が向いたら覗いてください。


略称 変ホケを今後ともよろしくお願いします


次回はイチャイチャする二人を描かれます。

公開日は7月15日6時頃です。

お楽しみに!

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