アリの向かう所

六角

アリ

何かを持って

人の後をついてった

教わるままに

いつの間にか

夢を持たされていた


ただ僕には重くて

誰かには風船のようで

向かう先は同じなのに

僕は地面だけが先に見えていた


手に巻きついた夢の糸

擦れた痕が手のひらに残った

誰かは離さぬように

爪の痕が手のひらに残った


僕も誰かも手のひらを痛がって

いつしか離してしまうのかもしれない

けれど離れないのかもしれない


僕らは夢という呪いに縛られて生きてゆくのだろう


好奇心に駆られた誰かの子供が

巣穴に水を流し込むまで

この行列をその足で潰すまで


きっと僕はそれを望んでいる


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アリの向かう所 六角 @Benz_mushi

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