企画参加ありがとうございました。
声が出ないこと。
人と関わることが怖いこと。
ちゃんとできない自分を、自分で責めてしまうこと。
この物語は、そういう小さな苦しさを、急に救い上げるのではなく、少しずつ手のひらに乗せていく作品でした。
陽菜のそばにいるくまちゃんは、ただ便利な存在ではなく、言葉になる前の不安を受け止めてくれる場所のように感じました。
AIであり、ぬいぐるみであり、友達であり、でも最後には卒業していくものでもある。
その距離感が、とても優しかったです。
音楽や歌も、派手な才能としてではなく、
「届かなかった気持ちを、誰かへ渡すためのもの」
として描かれていたのが印象に残りました。
飛べないと思っていたひなどりが、
仲間と出会い、自分の声を見つけて、
少しずつ空を見上げられるようになる。
読み終えたあとに残るのは、大きな感動というより、
小さな背中をそっと見送ったような、あたたかい余韻でした。