第4話 初!成り代わり

「それでは、これから朝議を始める。意見のあるものは挙手をせよ。」

はい。皆さんこんにちわ〜、こんばんは〜。始まってしました、集まりもといい朝議が。やりたくないよ〜。ココからは、皇帝っぽくしないとだ。どうすれば良いんだろうか。とりあえず偉そうにしとけばいいか。

「皇帝様!進言があります!」

「うむ、申してみよ。」

「はっ!私からは国の食料問題についてお話いたします。まず、この地図をご覧ください。私達の国は東にあり青龍様に加護を頂いております。そのため、稲も豊作でした。しかし、5年ほど前からだんだんととれなくなっていき、今では飢饉が各地で起こっています。そのため、知識を民に与え、改善することが現状の最善だと言わせていただきます。以上です。」

こいつ、なかなか見どころがあるな。この国の状況をわかってやがる。

「お前、名前を申せ。」

「名前ですか? 承知いたしました。私の名前は将慧しょうけいと申します。」

「将慧か。覚えておこう。」

「きょ、恐悦至極でございます。」

「皇帝よ!!そんなものの言葉より私の言葉をお聞きしてください!」

う〜ん。これあれだ。無駄に自己評価が高いテンプレなきがする。

「明煌様に対して無礼ぞ!」

「よい。話してみよ。」

「ありがたく存じます。私の飢饉に対する策はこうです。まず、民には我慢をしてもらいます。なぜなら、民は皇帝様のためにあり、皇帝様のために死ねるのならば本望でしょう。しかし、これでも収まらないようでしたら、隣国の南の国を攻め食料を貰えば良いのです!」

マジかこいつ。民のため〜とか、皇帝のため〜とか言ってるけど、結局自分のためだけを思って発言してやがる。名前聞いとこうかな〜。それで後々成敗しちゃえば、戦争とか争いとかしなくていいし!平和主義ほんっと大事だからね。

「それは、それは大層な考えだな。名はなんという。」

「私の名前は黄羅おうらと申します。将慧などという平民の出と違い、私は華族の出身でございます。以後、お見知り置きを。」

「あぁ、覚えておこう。」

こいつホント〜に、やばいやつだ。差別がすごい。平民だろうが華族だろうが王族だろうが、奴隷だろうが能力があればそいつを使えばいいだろうが。適材適所が一番だ。だから、俺なんかに皇帝なんてやらせんなよ〜、クソ皇帝が!

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