空 白 恋 愛。

ヒロまるだし

プロローグ 彼女が覚えてる事 出会い前。


 2025年5月下旬


「私さ、ひろとの出会ってからの1ヶ月間の記憶が曖昧なんだよね。覚えてない事も多いし、、、」

 俺は彼女であるあすかに、「俺達のことを小説にする!」と言った時、あすかから申し訳なさそうに俺にうちあけてきた。


 俺自身も、彼女がなぜ記憶が曖昧なのかは何となく理解出来た。

 あの時のあすかは、まだ精神的にも身体的にも不安定な状態だったからだ。

 それはあすかの病が関係しているのだろうと俺は推測した。

 俺は医師でもないし、絶対こうだと確証すらなかったが、何となく察することは出来る。


「じゃああすかはどこから覚えてるの?」

 俺はあすかに聞くと、あすかはそれじゃあ覚えてる事をポツポツと話をしだした。


 誰も信じてはくれないだろうと思うけど、

 これはあすかとヒロとの実話の物語だ…。


 ―――――

 ――――

 ――。


 2022年3月28日

 最初は単に体調を崩しただけだと思っていた。

 でも、眠れなかったり、人と話してるのに突然無意識に泣いていたり、人と会うとなると手の震えや汗、さらに心臓が止まるほどの呼吸困難に見舞われた。

 病院に行き処方された薬を飲むが全く効果は得られなかった。


 そして私は心療内科を受けた時の事。

 担当医から「鬱病だ」と診断された。

 当時の私にとったら、(なんで?私が?信じられない。)と疑心暗鬼になった。

 以前までは皆と変わらない普通の生活を送っていたからだ。


 毎日号泣する日々…医者からは日にち薬だと、効かない薬を飲み続けていた。

 いつまで飲み続けなければならないのか?

 日にち薬とは何なのか。

 このまま一生治らないのじゃないのか。

 そんな不安と焦りが頭の中で複雑に絡み合う中

 誰かに話したい。誰かに理解されたい。

 誰でもいいからこの苦しみから…たすけて

 早く楽になりたい…。。。


「今日も眠れないなぁ…」

 そう思い、何となく始めたチャットアプリをインストールした。


 心の傷を紛らわしてくれるような人を求めて、暇つぶしに始めたチャットアプリ。

 そこには色んな人がいたけど普通に話せる相手はいなかった。


 男は皆、下心ばかりで…そんなもんか…という気持ちが当たり前になっていた。

 アプリをやめたり始めたりを繰り返していた。

 会う気なんて無かった私にとっては暇つぶしにもならない。

 そんな時に私はチャットアプリで

 今の彼氏と出会った。


『やっほーこんにちは!』

 彼から一言そう届いた。この人雰囲気かっこいいなっと思った私は取り敢えず

『こんにちは』とだけ返事を返した。


 私は彼と過ごした最初の1ヶ月の記憶がほとんど曖昧で、覚えていないことがある。

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