第11話 劉備玄徳→じゃあ許します。陳宮→じゃあ晋王朝作ります。
関羽と張飛が呂布への加勢を叫び、韓信が劉邦への殺害命令を下すという、カオスな状況の中、呂布は劉邦を睨みつけながら、劉備玄徳に顔を向けた。
呂布: 「劉備玄徳よ……もう、なんか、イライラしたわ。この劉邦、ぶっ殺してもええか? おまんのじいちゃんじゃろうが、俺様はもう我慢ならんぞ!」
呂布の殺気に満ちた問いに、劉邦は恐怖で真っ青な顔のまま、床にへたり込んでいた。
劉備玄徳は、これまで聞いてきた韓信や項羽の悲痛な人生の結末、特に劉邦による裏切りと粛清の歴史に、とめどなく涙を流していた。
彼の目には、かつての盟友や英雄たちの無念が、まざまざと映っているかのようだった。
劉備玄徳は、嗚咽を漏らしながら、しかし決意に満ちた目で呂布を見つめた。
劉備玄徳: 「呂布殿……うぅ……韓信殿と項羽殿の、その、あ、哀しい最期を思えば……もはや、止める術もありませぬ……。貴方の怒りは、まことに理解できます……。」
劉備玄徳は、涙を拭い、苦渋の決断を下した。
劉備玄徳: 「……良いでしょう。呂布殿。どうか、あの者を……劉邦を……存分になされるがよい……。この漢室の血を引く者が言うのも矛盾しているかもしれませぬが、これ以上、あの者が歴史を汚すのは忍びませぬ……。」
劉備玄徳は、劉邦への「殺害許可」を出したのだ!
劉備玄徳の衝撃的な発言に、劉邦はさらに真っ青になり、項羽や韓信、関羽、張飛も驚きの声を上げた。
しかし、その時、陳宮は静かに、涼しい顔で口を開いた。
陳宮: 「やれやれ……。呂布殿、劉備殿。貴方方の気持ちは、まことに理解できます。しかし、それでは何も変わりません。劉邦を討ち果たしたとて、この歪んだ歴史が元に戻るわけではない。それどころか、また新たな混乱が生まれるだけでしょう。」
陳宮は、一同の注目を集めると、どこか諦めたような、しかし確信に満ちた目で続けた。
陳宮: 「私は、この身が、まさかあの司馬懿という男と同一視されるとは、まこと不本意極まりない。あの男は、私の信念とは全く異なる存在。本心では嫌で嫌でたまらん。」
陳宮は、一呼吸置くと、衝撃的な言葉を口にした。
陳宮: 「……だが、この歪んだ歴史を正すには、『司馬懿』として、影から晋王朝をおっ立てるしか、他に道はないのかもしれん。そうすれば、この、私の理想とは全く異なる魏の曹操ごときが築いた、まことに『薄っぺらな王朝』を、私が内側から崩壊させることができる。」
陳宮は、淡々と涼しい顔で、しかし確信に満ちた口調で言い切った。
陳宮: 「そして、多分、成功する。いや、確実に成功する。史実では、それが『ハッピーエンド』ということになっているからのう。」
陳宮は、どこか諦めたような、しかし妙に涼しい顔でそう言った。そして、再び魏への罵倒を開始する。
陳宮: 「まことに、魏などという王朝は、根なし草同然! 曹操の『覇道』など、ただの『一時の野心』に過ぎん! その息子も、そのまた息子も、まことに『器量に欠ける凡庸な者たち』ばかり! そのような者が、なぜ天下を奪えたのか、まことに理解に苦しむ! 漢室を簒奪した罪は、永遠に消えぬ! その無様な末路が、まさか私が作り出す『晋』という形でやってくるとは、まことに皮肉なものですな!」
そして、陳宮の体から淡い光が放たれ、その姿は、司馬懿のものへとゆっくりと変化していく。
その顔は陳宮そのものだが、目元には司馬懿特有の不敵な笑みが浮かんでいた。しかし、そこにいる曹操の子孫たちは誰もその変化に気づいていないかのようだ。
ただ、彼らの前に立つ「陳宮」が、なぜかやたらと魏を罵倒している、としか思っていない。
陳宮の衝撃的な宣言に、一同が呆然とする中、呂布は劉邦への殺意を再燃させた。彼の怒りは、もはや頂点に達していた。
呂布: 「構わねえっ!! 司馬懿だろうが晋王朝だろうが、まずはこの劉邦を殺らせろっ!! 貴様のような『卑劣極まりない奸物』が、この世に存在すること自体が、まことに『天地の恥辱』!! 貴様の『偽善』に、どれだけの者が騙され、どれだけの者が苦しんだか、貴様は知らんのかっ!! 貴様が吐く言葉は全て『虚言』! 貴様の存在は『害悪』! 今すぐ、この世から消え失せろっ!!」
呂布は、圧倒的な語彙力で劉邦に罵倒の嵐を浴びせた。劉邦は、もはや真っ青な顔を通り越して、土気色の顔で震え上がり、劉邦を文字通り、目を背けたくなるほどボコボコにしたとさ。
おしまい。
どうやら劉邦さんは、劉備玄徳さんに色々と物申したいようです!! こだいじん @yachiru-regurusu
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