カプセル
岸亜里沙
カプセル
白銀に輝く星屑の砂浜に落ちていた小さなカプセル。
ボクはそれを拾い上げてみる。
透明な上部から中を覗くと、そこには一枚の紙片が。
逸る気持ちを抑え、ボクはカプセルをゆっくりと開け、中の紙を取り出す。
その紙に書かれていたのは、別世界に暮らす住人からのメッセージ。
独創的な文字列は、とても神秘的で星座のよう。
書かれている事は、何も分からない。
ボクは紙をカプセルに戻し、そっとカプセルをポケットにしまった。
家に帰り、椅子に座るとボクはまたメッセージが書かれた紙を眺める。
「このカプセルは、どんな旅をしてきたんだろう。この紙にはなんて書かれているんだろう。もしかしたら素敵な詩なのかも。なんとか解読出来ないかな」
ボクが呟くと、パパが部屋にやって来た。
「そんなに熱心に、何を見ているんだい?」
パパが
するとパパはビックリする事を言いました。
「この紙をカプセルに入れて、海に向かって投げるんだ」
「どうして?」
「そうした方が、またこのカプセルと紙を見つけた誰かが、今のパパたちみたいにワクワク出来るからだよ。きっとこのメッセージは、一人占めしちゃいけない気がするよ」
「でも別世界の人が書いたものだ。パパはなんて書いてあるか、気にならない?」
「もちろん気になるさ。きっと時間を掛ければ、翻訳も可能なんだろうけど、でも、どんな事が書かれてるのかなって頭で想像し続ける方が、楽しそうだろ?」
パパの顔を見ながら、ボクは頷いた。
「人生と同じで、答えを知る事だけが、全てじゃないよ。どうやったら楽しくなるかなって考える。実はそれが一番重要な、人生の意味だとパパは思う」
海までの道中、パパはボクに言った。
「よぉし!このカプセル、凄い遠くまで投げてみせるぞ」
そう言ってボクが笑うと、パパも優しく笑った。
カプセル 岸亜里沙 @kishiarisa
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