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 お正月の2日の日にガクさんから会いにくると連絡があったのだけど、私は米原まで出て行くと返事をしていた。彼も、道路の雪なんかを気にしていて、山越えはなぁーと躊躇しているみたいだったから・・・。でも 私は、別の意味で憂鬱だったのだ。こんな歪んでしまった私 あの人をまともに愛する資格なんてあるのかしら・・・


 改札を出たとこで会って、彼はレンタカーを予約してあるからと、でも、米原って近くには観光で行くようなとこも無く、琵琶湖沿いの洋菓子屋さんがやっているパンとカフェのお店に行った。


「その スカート可愛いよ」 私、紺地に白いバラの花をあしらったフレァなスカート。


「ありがとう スカートが可愛いの?」


「いや 真美がな 来る時、峠は雪だったかい?」


「ううん 山間には少し残っているとこあったけど・・・関ケ原は?」


「あぁ 山のほうだけね 雪がひどかったら、新幹線もストップだから良かったよー」


「ねぇ 北海道のどこなの?」


「帯広 まぁ 強いて言うと 北海道の真ん中あたりカナ 畜産とか馬の育成が盛んなとこなんだよ」


「雪も多いんでしょぅ? 今っ頃は積もってるん?」


「そーだなー クマも冬眠してるよー」


「なに それっ 熊? 居るの?」


「うん 春になると街の周辺にも出て来るらしい」


「あのぉー そこ 日本?」


「まあな ・・・でも ある意味 日本の食生活を支えてる ここで使っているミルクなんかも もしかすると十勝のかもしれないよ」


「ふ~ん 十勝ねぇー 遠そう・・・」


 その後、彼は国道沿いの派手な建物の中に車を入れて行った。私 こんなとこ もう 慣れっこになってしまっていた。この1年の間よー まだ 高校生なのに・・・。


 彼に抱かれて、全身を愛撫されてきても、私は前みたいに燃え上がること無かった。もう 彼のもとに戻ることは出来ないだろうと思っていたし、あいつに恥ずかしいことをやらされるのに慣れてしまったのだろうか・・・


「俺 3月には向こうに行くと思うんだぁー 今度は、いつかなぁー 出来れば、春に一度こようと思うんだけど・・・」


 彼から、不安定な状況を言ってきた。私は、会いたいから絶対に来ると・・・言って欲しかった。一抹の希望を抱いていたのに・・・もう 今日で最後になるんだわと 感じていた。好きなんだけど・・・しょうがないよねー


 もともとは、彼が離れているからと渋っていたのを、私が迫っていったものだから・・・それに、私が煮え切らない態度だったから、立石さんには強引に、そのままズルズルと彼のものにされてしまっているんだわ!。私が、悪いのよね・・・


 駅で別れる時も 「じゃぁ 又 連絡するよ」ってあっさりと・・・私 終わったと感じていた。 (さよなら 私が初めて愛した人 向こうでいい人みつけてネ)


 私は、涙も出なかった。ある程度は覚悟していたことだから・・・。地元に駅に着くと、あのゴーキーが渋る女の子を強引に車に乗せようしているとこだった。あの時、私に襲い掛かってきた奴。


 この辺りの男どもは、そんな奴ばっかりなのかと、情けなかったのだ。もっとも、菜美に言わすと、私も もしかすると ガクさんに弄ばれていただけなのかも・・・



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