2-2
「なぁ あれから 立石さんからデート誘われた?」
「うぅん 何にも無いよ」
「たからぁー 告られた時 ちゃんと返事せーへんからぁー 何やねん お友達としてっえぇー/ 小学生ちゃうんやでー あんな御曹司 学校中の女の子が狙ってるんやでー 玉の輿ヤン アホちゃう? 真美 もしかして あの ガクさんのこと まだ想ってるんちゃう? あんなん 夏だけのことやでー 夏以来 何も言うてこーへんのやろー?」
「うん そんなんとちゃうねんけどー・・・」
「真美って おとなしいようで 男を手玉にとって 案外なんやねー」
「違うってー 私・・・本当に私のことを思ってくれる人と・・・って 立石さんとは 違うような気がしてー」
「わぅー 贅沢ぅぅー 他の女の子が聞いたら 石 ぶつけられるでぇー」
― ― ― ☆ ☆ ☆ ― ― ー
冬休みになって、立石さんからXmasに食事とデートに誘われていて、夕方 車で迎えに来るという。菜美はお友達とカラオケに行ったりして騒ぐからと、お昼過ぎに出掛けていた。あの人のことだから、改まった場所なのかもと、いい加減な恰好じゃぁ恥ずかしいかもと・・・でも、私は冬用のワンピースなんかも無くって、長めのプリーツスカートに厚手のシャツにしていた。そして、マスカラと少し口紅にチークも・・・
着いたのはイタリアン風のお店で、エントランスには、樹々にクリスマスネオンで飾られている。パンチェッタ ラディシュ ピクルスの前菜から始まって、削りへしこのパスタ、イベリコ豚の炭焼きにいくらのリゾットと私 食べたことのないものばかりで感激していて、最後にチーズケーキと柚子のジェラートと書いてあった。
「まなっぺは卒業したら 目標とか決めているの?」
「そーだね 菜美とね 一緒に 美容学校に行って 二人で美容院やろうかって 話したことあったかなー 漠然とだよ」
「それは いいねぇー 2階は店舗でさー 3階4階は俺等の居住スペースで屋上も作って・・・そしたらさー 俺 頑張って働くよー」
「あのさー 何の 話ししてるん? 店舗とか 俺等の居住スペースとか・・・」
「だからよー 俺とまなっぺの愛の住処よー」
「何を 勝手なこと言ってんのよー バッカじゃぁない? 私は そんなこと 一言も言っておりません! 今んとこ そんなつもりも このお塩の一粒ほどもございませんからー 私なんかを こーやって 誘ってくれたのは、とっても 嬉しいけど・・・」
「まぁ まぁ そーいうなよ 段々となー」
お店を出た後、緑地公園をブラブラしようよと、今の季節 ネオンとかの灯で飾られていてイルミネーションがきれいらしい。近郊からも観にくる人も多いのだ。私 それとなく聞いて居たけど、こーやって見にきたのは初めてなんだ。
車から降りて歩き出した時、立石さんは自然と手を繋いできた。こんなの この人 慣れているのかしらと思いながらも、ミマのこと・・・あの人 私がキスは嫌!って言ったもんだから、あれから引いてしまっのかしら・・・誘いも掛けてこない。
今は、この人と・・・まるで お付き合いしているみたいに・・・そんなつもりじゃぁ無いのだけど、クラブの先輩後輩の少し 仲が良いだけと、自分に言い聞かせていた。ご飯もごちそうになったし・・・私 狡いのかなぁー この人に期待させてしまっているのかしら・・・
しばらく、歩いて
「あそこの 海も見えるとこ 2階だと見通しもええなろーぅ 雰囲気ええもんなー 美容室やったら 駅前で無くてもお客さん来るんちゃう? 夏は屋上から花火も見えるでー」
「あのさー まだ ゆうてるん? 妄想するん 勝手やけどおぉー⤴
すると、彼は繋いでいる私の手を引き寄せて肩を抱くようにしてきて
「今夜の まなっぺは特別きれいだよ」 と、
「待ってぇー キスしようとしてる? ダメよ! キスしたら 絶対に絶交だからね」
「うっ なんで 俺ではダメなんだよー」
「だってね クラブの先輩っていうだけで よく 知らないんだものー」
「そんなこと無いだろう もう 2年だよ」
「だって 最近じゃぁない 身近になったのって」
「じゃあさー もっと 身近になるため ホテルいこうか?」
「そーいうとこよ! 信用できないの! 誰にでも 女の子 騙してるん違うんですかー 篠原さざゑさんのことも聞いているよ」
「あぁー あいつは、小学校から一緒だし 居酒屋の娘で、なんだかんだと言ってくるからー でも 何でもないよ」
「ふ~ん 何でも無いんだぁー ・・・でも あの人はどう思ってるんでしょうねー 私 もめるの嫌ですからー だからね もう少し このままのお付き合いでと思ってます 狡いかしら・・・」
「あっ 嫌 このままでねー うん」
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