近未来の様でいて現実とは地続きの物語。
医療はここ数十年で飛躍的な進歩を
遂げている。そこには、予期せぬ病の出現
或いは医学薬学のみならず、理工学分野の
応用に端緒を見つけるだろう。
これは喜ばしい事であると同時に又別の
問題を提起している。
死なない人々への医療の拡充とは。
誰しも死ぬのは怖い。けれども死なずに
苦しむのは更に厭わしい事だろう。
本作品には、死を避けた人々が最も恐れる
苦痛を 癒す 事がメインのテーマに
なっているのだが…。
医療工学の最先端技術を駆使して、人々の
苦痛や不安を取り除く試み。それは
我々の未来に、どんな世界を齎すのか。
死に瀕した時、人は何を思うのか。
それは、個人的に最も関心のあるテーマの
一つであり、多分その答えも或る程度は
予測している。
死は、人だけでなく全ての 物質 や、
場合によっては 概念 にすら等しく
訪れる。それは、時間や空間とも密接で
良好な関係を常に保っている。
生き永らえる事が幸福だと思える未来が。
薬学の歴史と研鑽、そして科学技術の粋。
そして、こういう作品によって齎される
事を切に願う。