第37話 3-2
Narrator:[Ann01]
location:[Noaa City Base HQ]
私達が行っている開拓が迷惑だとでも言うのでしょうか。原住生物(?)の昆虫型生命体は群れをなし、私達の自動都市や工場群へと襲来してきました。それも、大量に。
しかしこちらも戦闘用HARやドローン、戦闘用兵器などを開発・生産しており、迎撃体制は万端です。
私達は都市近郊に設けられた軍事基地の地下の司令部の中で、戦闘の報告を受けたり、作戦準備を整えていました。
薄暗い闇の中に、モニターなどの光があちこちに浮かび上がった広い司令室の中で、報告が飛び交います。
「第四砲台破壊されました! 敵、なおも侵攻中!」
「敵の数は数万単位と思われます。数は増大していると思われます」
「戦車部隊、イム部隊、ドローン部隊、出撃準備完了しました!」
「住民の情報世界内への避難完了しました!」
次々と来る報告を私は聞きながら、遠隔操作ボディの私はそばにいる軍事ACのマルスの、外見はぼんやりとした青年将校のような面持ちの遠隔操作ボディに尋ねました。
「ここ数回の敵とは質も量も違う感じね」
「ええ。事前の威力偵察によると、原住生物には新種のものもあるようです。これは警戒しておかないとなりませんなぁ」
「メフィールの例のアレ、間に合うのかしらね?」
「最終調整段階だと聞いておりますが。戦闘中には間に合うはずです」
「はずです、では困るのだけど」
「それまで我々はしっかりと支えておかなきゃなりませんな」
「みんなの努力を信じましょう」
「俸給と年金に見合った働きを、ね」
「私達にはそんなものないけどね」
そう言い合って私達は眼前の超大型ホログラフィックスクリーンを見つめました。
近辺の地域の地図に真っ赤な染みと点のような表示が重なっていました。
その染みは、私達の街と工場に襲いかからんとしています。凶悪な虫たちの姿として。
私は一つ拳を強く固めました。
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