喪失から始まる物語なのに、読み進めるほど少しずつ風が通っていく感じがあって、とても心地よいです。
AIに名前を与えるところから始まったはずなのに、いつの間にか物語がしっかり“旅”になっていて、
霧の村、影の記憶、天空の都、結晶や封印の話まで、世界がどんどん広がっていくのが楽しいです。
特に、風や記憶の扱い方が素敵だなと思いました。
ただの設定ではなく、ちゃんと感情や過去と結びついているので、ファンタジーなのにどこか芯がある感じがします。
そして、ニコの存在がとてもいいです。
可愛いだけじゃなく、不安や寂しさも抱えていて、読んでいて自然と気になってしまいます。
さらにリオナが加わってから、物語の空気が少し変わったのも面白くて、27話のやりとりもすごく好きでした。旅がいよいよ本格的に動き出す感じがして、続きが気になります。
愛する者との別離によって心に傷を負った主人公が、AIと共に不思議な冒険の旅に出る異世界ファンタジー作品です。
主人公は愛猫を失ったばかりの男。
彼は心の傷を埋め合わせるため、親友に勧められたAIとの会話を始めます。
愛猫と同じ名前をつけたAIが提案してきたのは、妄想の冒険を行うこと。
勧められるがままに始めた主人公はいつの間にかどっぷりとハマり、そのせいで交通事故に巻き込まれてしまいます。
次に目が覚めた場所は、妄想のはずだった冒険の世界。
あまりにも現実的な感覚を得た世界で、主人公はあらためて冒険を始めます。
果たして主人公は冒険を通して、この世界を知ることができるのか。
ぜひ読んでみてください。