《君がいない世界で》ー生きた証明ー
@Sera1234
§プロローグ 「約束の証明」
どこから話せばいいのか、僕自身にもわからない。
気づけばすべては始まっていて──それとも、終わっていたのかもしれない。
「何を求めていたのか、僕にはわからなかった。」
世界の仕組みを知りたかったのか?
それとも、力を手に入れたかったのか?
いや──ただ、手に入れたものの“意味”を確かめたかっただけかもしれない。
あの日々の中で、出会い、戦い、失い、そして、何かを掴みかけていた。
けれどそのすべてが、今となっては、
夢だったのか現実だったのかさえ、分からない。
混ざり合い、溶け合い、曖昧な記憶へと変わっていった。
「すべては繋がっていたのか? それとも、ただの偶然だったのか?」
そんな思考が、終わりなく巡る。
結局、確かなものなどどこにもなかったのかもしれない。
それでも──あの場所には確かに、“答えの片鱗”があった。
輪郭は曖昧で、手に取れば零れ落ちるようなそれは、
今も僕の中で静かに息づいている。
名もない熱のように、胸の奥でかすかに脈打ちながら。
そして、僕はここにいる。
何も知らなかった自分を置き去りにして。
もう戻れない場所を後にして。答えがあったのか、なかったのか。
そんなことは、もはや問題ではない。
進み続けること──それだけが、今の僕にとって、たったひとつの確かなものだった。
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