ゆっくりと時間の流れる空気。それを強く感じられました。
乗っていた遊具の暴走により、一歩間違えれば大怪我をする可能性もあったナナたん。そんなナナたんを助けてくれたジョーは、これと言って謝礼を受け取ろうとはしない。
ジョーはロディオの名人だったが以前に怪我をして引退したことなどがわかる。
そうしたやり取りも終わり、ナナたんの兄の隼人が「将棋盤」に駒を並べる。それを見た叔母の涼子さんの言葉がまた楽しい。
将棋盤を使った遊戯。それは、じっくりと腰を据える時間。つまり、バタバタとした忙しい時間には不向きなもの。
日中の命の危険も伴う慌ただしさの後、ゆったりと将棋で遊ぶ。その「対比」がとても綺麗で、この時間がいかに穏やかで静かなものかが伝わってきます。
こういうボードゲームで時間を潰すのもいいなあ、としみじみ思わされました。ナナたんを心配する隼人の「おにいさん」なところも見られ、またほのぼのさせられました。