朝出勤中にとんでもないギャルを発見した俺は

@ipin3291

第1話 朝の電車で出会った、とんでもないギャルの話。

いつも通り、眠気と戦いながら乗った通勤電車。

ドアのすぐ横に立って、スマホの通知を眺めていた俺は、

ふと前に立つ人影に視線を向けた。


…あれ?なんか、すごい。


そこに立っていたのは、

明らかに「ただのギャル」ではない、どこか洗練された雰囲気を持つ女性だった。


パッと見は派手。

金髪に近いハイトーンのロングヘア、ばっちりメイクに、デニムのミニスカ。

でも、よく見ると肌は透けるように白く、鼻筋が通った顔立ちは、

どこか南国っぽい血が混ざってるような印象だった。


…ハーフ?しかも、めちゃくちゃ綺麗系。


電車の揺れに合わせてイヤホンのコードが揺れて、

彼女は小さく口元でリズムを取ってる。

きっと音楽が好きなんだろう。

でもその仕草すら、妙に上品で目が離せなかった。


派手なのに、下品じゃない。

むしろ落ち着いてる。不思議な存在感だった。


途中の駅で一瞬視線が合った気がして、慌てて目を逸らす。

「見すぎだろ俺…」と心の中で自分を戒めたけど、

なんとなく、電車の揺れとともに彼女のことが気になり続けた。


隣の車両に少し人が流れたタイミングで、彼女がすっとスマホを取り出した。

画面がちらっと見えたけど、なんかオタクっぽいアプリを開いてた気がする。

ピンク色の、キャラがいっぱい並んだゲーム画面。

このギャルが、ソシャゲ?

…ギャップって、やっぱり人を惹きつける。


俺はなんとなくスマホを持つ手が固くなって、

そのまま時間が過ぎていった。


やがて駅に着いて、彼女は俺より1つ先の改札で降りていった。

後ろ姿を見送りながら、思わずつぶやく。


「とんでもないギャルが、通勤電車に紛れ込んでるな…」


偶然か、それとも日常に潜む非日常か。

そんな風に出会ったその朝から、俺の生活は少しだけざわつき始めた。

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