格式や作法を大切にするお茶教室。
そんな場所で教えてくれるのは、確かな腕を持ちながら、どこか予想の斜め上を行くおじいちゃん先生です。
何をしてくるのかは、ぜひ実際に読んで確かめてほしいところ。
真面目な空間だからこそ際立つ先生の遊び心と、それに必死で耐える生徒たちの様子が楽しく、次は何が起こるのだろうと最後まで一気に読めました。
そして読み終わってみると、先生がただ面白いことをしていただけではないように感じられるのも、この作品の好きなところです。
型を大切にしながら、楽しむことも忘れない。
短い中に笑いとお茶教室の温かな空気が詰まった、気軽に楽しめるコメディ短編でした。
いやこんなん卑怯やて!(方正)
全力の方向性が斜め上を向いているのって、素晴らしくもありますがなかなかできませんよね。
芸の道では、その道の基礎をしっかりと身に着けた上でそれをブチ破るのが「型破り」、基礎もできていないのに枠から外れたことをしようとするのが「形無し」などとは言いますが、これは見事に「型破り」な例だと言えましょう。
おじいちゃん先生、お年を召しているのに精神は随分とロックです。
このユーモアセンス、相当に頭が柔らかで発想が豊かな人でなければ、なかなか真似できそうにありません。
そうでありながらも、「茶道を楽しく、それでいてしっかりと、その基礎と極意を学ばせる」という本筋をとらえ、道を見失っていないあたり、やはり流石だなと唸らされます。
大変楽しく読ませていただきました。
学びある作品ですので、是非ともお勧めしたい作品ですね。