死神とやり直す異世界物語!

@soratonbo

第1話 一般人死す

「えっ!マジで俺死んだの?」


「マジで死んでます」


「やっぱりかぁ~なんかそんな気がしてたんだよね!!もっと生きたかったなぁ~……もっと頑張りたかった」


「・・・あなたはもう十分頑張りましたよ」


「でもねぇ。やりたいことの半分も出来てないんだけど・・・・ちなみにどんな死に方?」


「……殺されました」


「ええっ!殺されたの?俺そんな悪い事した?」


「していません。悪いことはしていません!!」

すごい圧だなぁ。


「僕が、この僕が保証します。あなたは素晴らしい人です。本当に……」

なんでそんなに苦しそうに言うんだろう?てかこの人誰だろ?

大きな鎌に黒のローブを着た小柄な女性、鮮やかな金髪にギロリと光る黄金の瞳。冷たい美人というイメージが近いかな?もしくは禍々しい美人か?

まるで物語に出てくる悪役か悪魔な様な風貌……マジで誰?


「そ、そう?ありがとう・・・ところで貴方あなたは?」


「うーん?僕は死神です!あなたを迎えに来ました」


「なるほど・・大きな鎌を持っているので死神様かなとは思っていました」

しかし自分の背丈より大きな鎌を軽々と動かすとかすげぇな。

さすが神様。


「さて、ケンジさん。本人確認をさせてもらいます。享年28歳。独身で大学卒業後、物流会社に勤め勤務中に死亡」


「まぁ~死んだ時の記憶はないからその部分はよくわからないけど合ってるよ!はっ!!タ、タメ口すみません神様」


「あ~タメ口でいいですよー気楽にいきましょう!僕、仰々しいの嫌いなんで」


なんかこの神様ゆるい。


「しかし無念でしたね。苦労の多い、つまらない人生だったのでしょう?」


「いいえ神様」

俺は思わずほくそ笑んだ。


「良い人生でした。後悔はありません。懸命に生きたと言う自負はあります。正しく生きたという誇りがあります!」

この言葉が自然と出てきた。うん、やり切ったんだ俺。


「・・・そっかやっぱりはっきり言うんだね!君はそういう人なんだよね!良かった。本当に良かったよ」


「うーん?そう言われるとどう答えればいいのか悩むんだけど。あっタメ口で話しますね。でももう終わった話、あきらめるよ。早くあの世に連れて行ってよ。てか本人確認要らないでしょ。死神なんだからそんなの確認しなくても分かるでしょ?」


「まぁね!!でも本当にあの世に行っていいの?」


「・・・当然未練はあるよ。あるけどそれ以上に家族に会いたい。両親や姉弟に会いたいんだ。言いたいことや話したいことが山ほどあるんだ」


「そっか、分かったよ。それじゃあ連れて行くよ!」


「行っこう♪行っこう♪あの世へ~」


「君変わってるね」


「褒めるなよ。俺は褒められると伸びる子なんだぜ」


「褒めてないし、死んでるから成長しないでしょ?」


「痛烈!美人さんもうやめて!!俺のライフはゼロよ」


「美人?ぼ・僕が美人?」


「・・あれ?自覚ないの?」


「ごほん。まぁ美人な僕がしっかりあの世へ連れて行ってあげるよ!!」


「お~お!!そーゆ感じね!OK。それじゃあ美人さんよろしくね」


「任せなさい」


さぁ死神さんとあの世へいくぞ!!


「あのすいません。僕の代わりに生きてくれませんか?」


振り返るとそこには、異国情緒漂う男の子が立っていた。

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