閑話1.シェリアザードが男同士の恋愛本を好む理由(またの名を黒歴史)-2-
・合言葉は『ウホッ!いい〇・・・』『〇らないか』
・他人様の趣味にケチをつけない
・作者が精魂込めて作った本の内容とカップリングを批判しない
・男同士の恋愛本に興味のない人には無理やり読ませない
の四つである。
それ等を守る事を誓えばブランシェットが会長を務める【男同士の恋愛本同好会】に入会出来るのだ。
「ウホッ!いい〇・・・」
「〇らないか」
男同士の恋愛本同好会のイベントに参加する為、展示会場にやって来たシェリアザードが、門を護る衛兵の言葉に胸元に手をやってファスナーを下ろす仕種をして見せる。
「貴女はお嬢様が主催するイベントの客人であると認められました。どうぞ、奥へとお進み下さい」
(私は〇斗の拳に出てきそうな兄貴なマッチョ同士が愛を交わす本を読みたいのだけど・・・)
今日のイベントには純粋に男同士の恋愛本を愛する腐女子と貴腐人達が参加するが、アメシスティナ王国では美少年同士、美青年同士、美青年と美少年のベーコンでレタスな本が好まれるからなのか、兄貴なマッチョ同士が愛を交わす本はないのだ。
こればかりはベーコンでレタスな文化が熟成していくのを待つしかない。
「シェリアザード王女。今回はどのような男同士の恋愛本が出るのか、楽しみですわね」
「そうですわね。王道もよろしいですけど・・・何かしらの変化が欲しいですわ」
「それでしたら、この本は如何でしょうか?」
イベントに参加した令嬢の一人がシェリアザードに勧めたのは、戦争で命を落とした騎士が想いを寄せていた美貌の神官と遂げる為に幽霊となり、自分の姿が誰にも見えない事を利用して神官と結ばれようとする物語と、ある男子生徒が美貌の教師に想いを寄せる余り無理やり襲ってしまうが紆余曲折を経て教師と生徒が結ばれる物語だった。
(この男子生徒・・・想い人である教師を姫抱きしているけど、強化魔法か気功術でも使っているのかしら?見た目は華奢だけど子供の頃から身体を鍛えているから物凄く怪力だったりする、のかも?)
「シェリアザード王女、この本はどうでしょうか?王子が密偵を見初めてあれやこれを・・・♡」
兄貴なマッチョ同士が愛を交わす本はなかったが、令嬢達のお勧めはそれなりに面白かったので本を数冊購入した後、シェリアザードは同士達と楽しく語り合いながらブランシェットが用意したお茶とケーキを堪能するのだった。
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